• アメリカによる核合意違反についてのイランとロシアの協議

ロシアのリャブコフ外務次官が、11日火曜、テヘランで記者会見し、全ての関係国による核合意の完全な遵守を強調すると共に、「核合意の代わりは存在しない」と語りました。

リャブコフ次官は、核合意に関するアメリカの一部政府高官の発言に触れ、「ロシア政府は、核合意の見直しや解釈のしなおしに向けた努力を拒否する。なぜならこの合意は、バランスの取れた肯定的なものであるからだ」と語りました。

また、トランプ政権が誕生した後のアメリカによる対イラン制裁に触れ、「これらの制裁は、核合意に違反するものであり、アメリカの行動は、この合意を根本から揺るがし、不安定にしている」と強調しました。

核合意は、国連安保理決議2231に基づいて、国際的、法的な強制力を有しており、このことは、EU、ロシア、中国など、核合意の他の関係国に重視されています。この合意の内容により、すべての関係国は取り決めを履行する必要があり、アメリカもまた、その例外ではありません。イランの核合意追求本部の責任者を務めるアラーグチー外務次官は、11日、リャブコフ次官との会談の傍らで、「オーストリアのウィーンで、今月21日に核合意の合同委員会の次期会合が開催される前に、イランとロシアは、さまざまな問題について話し合う必要があった」と語りました。

アメリカが核合意に対して行っている妨害は、核合意に直接違反せずに、かいくぐることができるという考えに基づくものです。アメリカのシンクタンク、カーネギー国際平和基金は、以前にこの問題について、4つのシナリオに触れています。

第一のシナリオは、核合意の破棄ですが、それはどうやら断念されたようです。第二のシナリオは、核合意の見直しと再協議に向け、イランやその他の関係国に圧力をかけることです。また、第三のシナリオは、核合意の完全な実施における妨害であり、それは現在の状況を招いています。こうした中、第四のシナリオは、アメリカの企業のイランの市場への復帰を促すのと平行した、トランプ大統領による核合意の受け入れです。

現在、トランプ政権時代に描かれたシナリオの中で、核以外の問題を巡る制裁の行使と、核合意を弱めるための一方的な行動の拡大という選択肢が追求されています。それは、対イラン追加制裁案の作成とアメリカ上院での最近の可決により、新たな段階に入っています。

核合意を損なうためのアメリカの行動は、アメリカ政府による一方的な決定と見なすことができますが、いずれにせよ、それが意味するのは、国際的な取り決めの履行に対する妨害であり、アメリカは、その結果に対して責任を取る必要があります。アメリカの政府高官は、イランへの敵対にどれだけ他国を同調させられるかに注目する必要があるため、これについてどの程度、EUやロシア、中国の支持を得られるかを把握しなければなりません。一方で、この目的を実現するためには、アメリカ国内の政治的な一致も必要です。しかし、トランプ大統領は、選挙期間中のロシアとの関係におけるアメリカの安全保障問題を理由に、不安定な状況に置かれています。

こうしたことから、アメリカの行動に対する国際的な反対に注目すると、制裁という選択肢は簡単には進めることができず、アメリカが孤立する引き金となる可能性が高くなっています。

EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、核合意は国際社会のものだと強調し、次のように語っています。

「核合意は、二国間で作成されたものではなく、それを変更することはできない」

また、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、最近行われた、イランの大統領、国会議長、司法府長官、その他、体制の関係者らとの会談で、核合意の実行におけるアメリカの約束不履行に触れ、核合意の監視団に対し、彼らの責務を注意深く完全に果たすよう呼びかけると共に、次のように語りました。

「核合意を受け入れる際、我々はさまざまな条件を文書の形で明確にしている。核合意の監視団は、これらの条件がきちんと守られているかに留意すべきだ」

明らかに、アメリカ政府は、核合意に署名しているにも拘わらず、この合意に違反しています。核合意が数カ国による国際的な文書として維持されるためには、すべての関係国が取り決めを完全に履行することが必要です。いずれかの国がこの原則に違反すれば、この合意を危険に晒す可能性があるのです。

2017年07月12日16時59分
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