• アメリカのポンペオ国務長官
    アメリカのポンペオ国務長官

アメリカのポンペオ国務長官が、イラン産原油の輸出停止に関して一部の国を免除する方針を検討していると語りました。

ポンペオ長官は、国の名は挙げずに、「アメリカ政府は、11月から始まるイラン産原油の禁輸の対象を免除してほしいという一部の国の要請について検討している」と語りました。これ以前にも、アメリカ国務省の関係者の一人が、「アメリカ政府は、イラン産原油の一部の購入国に関して免除を検討する可能性がある」と語っていました。アメリカは、核合意を離脱した後、11月4日までにイラン産原油の輸入を停止するよう各国に求めました。

こうした中、ポンペオ長官の新しい立場は、イランのローハーニー大統領が先週、スイスに住むイラン人との会談で次のように発言した中で表明されました。ローハーニー大統領はこのように語っています。

「アメリカは、イラン産原油の輸出を完全にゼロにしたいと主張しているが、彼らはその発言の意味を理解していない。イランが原油を輸出せず、地域の石油が輸出されるということにはまったく意味がない。あなた方にそれが可能であるのなら、そうしたらよい。その結果を見るだろう」

ローハーニー大統領のこの発言が行われるまで、アメリカの関係者は常に、イランからの原油輸入の許可を得ようとする国々の要請に対して沈黙していました。こうした中、ローハーニー大統領の発言と、この数週間の石油市場の変動により、イラン産原油の輸出停止という脅迫を見直さざるを得なくなりました。

アメリカの核合意からの離脱と、イラン産原油をゼロにするためのアメリカの動きは、すでにエネルギー市場に影響を及ぼしています。一方で、イランの石油制裁による穴を埋めるためのOPECの加盟・非加盟国とサウジアラビアの努力は、イラン産原油の売却の制限が石油市場に影響を及ぼていること、これらの国は、長期に渡って市場の不足を補うことはできないことを示しています。そのため、世界の市場からイランのシェアを排除することは不可能なのです。

OPECの加盟・非加盟国の多くは、増産を望んでおらず、アメリカの要請に抵抗しています。ブルームバーグは、イラン産原油の制裁に関する政策が機能しないことについて次のように伝えました。

「OPECの増産は、長期的に見て、原油の価格を抑えることにはつながらない。エネルギーの運輸、特にアメリカのガソリン価格の上昇を抑えるための唯一の解決法は、アメリカがイランに対する政策を変えることである」

 

アメリカのメリルリンチ

 

さらに、リビアでのテロ組織の活動による情勢不安やベネズエラの政治情勢により、産油量が減少するのではないかという予想もまた、原油の価格に影響を及ぼし、市場における原油の不足を深刻にします。アメリカのメリルリンチは、これについて次のように予想しています。

「イラン産原油の輸出を停止させようとするトランプ大統領の働きかけにより、まもなく原油価格は1バレル90ドルに達するだろう」

このような状況の中で、アメリカ政府は、イラン産原油の購入国を脅迫するこれまでの立場を後退させ、一部の国の要請について検討しようとしているようです。この行動は、たとえこれらの国にとって具体的な成果がなかったとしても、アメリカのイランに対する政策の失敗を意味することになるでしょう。

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2018年07月12日20時31分
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