• イラン石油を運ぶタンカー
    イラン石油を運ぶタンカー

アメリカのトランプ大統領が、5月8日、イランに対する根拠のない非難を繰り返し、アメリカの核合意からの離脱と、2段階に渡る対イラン制裁の復活を発表しました。

第1段階の制裁は、8月7日から実施され、国際社会の大規模な非難に直面しました。石油を含む、アメリカの対イラン制裁の第2段階は、11月4日から始まります。

現在の状況の中で、アメリカが核関連の制裁を2段階にわけて再び行使する目的は、イラン産原油の輸出、イランと他国の貿易や金融取引を禁止し、最終的に、イランの経済を崩壊させることにあります。実際アメリカは、イランとの大規模な経済戦争に入っています。

これにより、国際レベルで強い懸念が生まれており、アメリカのこの行動の結果に対して、数々の警告が行われています。

IEA国際エネルギー機関

 

この中で、IEA国際エネルギー機関は、「石油市場は短期の安定期に入るが、恐らく、今年末のアメリカのイランに対する石油制裁が復活する頃から、市場は大きな変動に見舞われるだろう」としました。IEAの報告には次のようにあります。

「イラン石油制裁の実施は、恐らく、他の国々の生産の問題を伴うことになる。それによって、十分な量の石油の供給が続けられなくなり、市場の備蓄量が減少する可能性がある」

この警告は、“イランの石油が国際市場からなくなっても、特になにも起こらない”とするアメリカの主張が誤っていることを示しています。実際、トランプ政権は、中東の一部の産油国、特にサウジアラビアとの調整により、この国が、産油量の増加によって、イランが抜けた穴を補うと考えています。

サウジアラビアの石油施設

 

しかし、サウジアラビアは現在、日量1040万バレルの石油を生産しており、論理的には、1200万バレルまで生産することが可能です。しかし、生産量をそこまで増加するためには、半年から9ヶ月の時間が必要であり、それをすぐに実行することはできません。また、サウジアラビアが生産量を最大限に増加することは、実際、市場の供給に関する余裕がゼロになることを意味します。そして、リビア、ベネズエラ、ナイジェリアといった国の産油量に問題が生じたとき、市場は次の穴を埋めるための選択肢を失うことになるでしょう。言い換えれば、サウジアラビアは、約束を果たすために大きなリスクを負わざるを得なくなります。このためIEAは次のように報告しています。

「石油市場は今後、現在のような安定を保つことができなくなる」

こうした中、石油制裁に対するイランの反応も、西側や地域のそのパートナー国にとって、大きな懸念材料になっています。この問題は、イランの強い反発に直面しています。

イランのローハーニー大統領は、最近のヨーロッパ訪問の中で、イラン産原油の輸出停止に向けた努力について、アメリカとその地域の同盟国に強く警告しました。ローハーニー大統領は次のように語っています。

「アメリカは、イラン産原油の輸出を完全に停止させると主張しているが、彼らはこの言葉の意味を理解していない。なぜなら、イランが原油を輸出せず、その一方で地域諸国が輸出するということはありえないからだ。あなた方にそれが出来るのなら、やってみるが良い。その結果を見ることになるだろう」

ローハーニー大統領

 

このようなローハーニー大統領の立場は、最高指導者のハーメネイー師にも認められました。イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、7月21日、次のように語りました。

「“イランが石油を輸出しなければ、地域のいかなる国の石油も輸出されない”とした、ローハーニー大統領のヨーロッパ訪問の際の発言は、体制のアプローチと政策を物語る重要なものだ」

ハーメネイー師とローハーニー大統領

 

こうした中、アメリカの対イラン制裁の復活は、以前とは異なり、アメリカがこの問題に関して完全に孤立している中で行われています。また、イランが完全に核合意を実施していることから、他の国々、特にこの合意に参加している国々は、アメリカの対イラン制裁の復活に同調する理由がありません。実際、世界は今、共に、トランプ大統領のイランに対する制裁復活に反対しているのです。

2018年08月12日21時10分
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