• トランプ大統領
    トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領が、6日水曜夜、無責任な決定の中で、アメリカ大使館をテルアビブから聖地ベイトルモガッダス・エルサレムに移転し、エルサレムをイスラエルの首都と宣言しました。この決定は、中東にどのような影響を及ぼすでしょうか?

トランプ大統領とイスラエル首相

この決定の第一の影響は、和平協議が無効になることです。和平協議はしばらく前から停止していましたが、その再開が期待されてもいました。しかし、今回のトランプ大統領の決定は、パレスチナ人のイスラエルとの和平協議からの離脱を意味することになるでしょう。言い換えれば、和平協議は今後、存在しなくなります。

アッバス議長(左)とイスラエル首相

二つ目の影響は、占領地における2つの政府の戦略的な失敗です。なぜなら、この戦略により、ベイトルモガッダス東部にパレスチナ政府が樹立されるはずだったからです。

パレスチナ

三つ目の影響を語る際に触れるべきなのは、トランプ大統領がこの1年、中東に関して最低限の理解すらもたないことを示してきたということです。どうやらトランプ大統領は、中東を、アラブのいくつかの弱小国から成る地域と捉えているようです。そしてこれらの政府は、国内の弱さにより、アメリカとイスラエルに対して政治的に妥協していると考えています。しかし、中東は、トランプ大統領が考えているような場所ではありません。

6日夜には、トルコ・イスタンブールで数百人規模の抗議デモが行われ、抗議者らはトランプ大統領をシオニズムの雇人だとしました。

 

中東では、イスラム教徒がこれまで繰り返し、彼らの要求と、指導者が追求する政策には大きな隔たりがあることを証明してきました。たとえば、エジプトは、イスラエルと最初に和平合意を結んだ国ですが、2011年、この国の人々は、革命後の最初の措置として、カイロにあるイスラエル大使館のコンクリートの壁を壊し、この大使館を占拠しました。これは、エジプトの人々が、イスラエルとの和平を受け入れなかっただけでなく、この政権との国交を断絶する機会を待っていたことを示しています。アメリカ大使館をテルアビブから聖地ベイトルモガッダスに移転するというトランプ大統領の決定は、中東のイスラム教徒のアメリカやイスラエルに対する怒りを招くものです。

サウジアラビアの支配者とトランプ大統領

そして四つ目の影響は、トランプ大統領の決定により、パレスチナ問題が再び、中東情勢の中心におかれることになる、ということです。実際、今回の決定は、イスラエルの利益にならないばかりか、国際社会のパレスチナ支持の一体化につながる可能性があります。今回の決定に世界が一体となって反発していることが、それを物語っています。この中で、一部のイスラム諸国におけるイスラエル大使館の閉鎖も、起こりうることでしょう。

パレスチナ問題

五つ目の影響は、イスラエルによる聖地の占領は、2015年10月1日から始まった聖地の対イスラエル抵抗運動インティファーダを強化し、新たな衝突のきっかけになるということです。パレスチナの人々は、6日、トランプ大統領の決定に抗議し、ガザとヨルダン川西岸で大規模なデモを実施しました。実際、この決定は、イスラエルに対抗する上でのパレスチナ人の統一の下地となりうるものです。

パレスチナ問題

トランプ大統領は、アメリカ大使館のテルアビブからエルサレムへの移転という決定により、自分の行動や決定の結果を正しく考えることができないということを示しました。そして、大統領就任から1年が経過しても、自分がどのような立場にいるのかを理解していないようです。

 

2017年12月07日21時39分
コメント