• トランプ大統領とゲーリー・コーン国家経済会議委員長
    トランプ大統領とゲーリー・コーン国家経済会議委員長

アメリカのトランプ大統領が始めた貿易戦争への抗議が高まる中、トランプ政権の経済政策の司令塔であるゲーリー・コーン国家経済会議委員長が辞任を表明しました。

コーン委員長は、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を巡るトランプ大統領との見解の対立を受け、辞任の意向を表明しました。

コーン委員長が辞任を表明したことと、トランプ大統領が輸入関税を課すことに固執していることから、アメリカ政府の保護貿易主義が拡大し、世界は貿易戦争に入ると見られています。アメリカの保護貿易主義を代表するトランプ大統領は、鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の関税を課す方針です。トランプ大統領は、この決定の目的は、アメリカの鉄鋼・アルミニウム産業を救い、国内の生産を強化し、新たな雇用を創出することだとしています。こうした中、世界で貿易戦争が起こるのではないかとする見方は、ホワイトハウスや共和党の間に懸念を招いています。

アメリカのポール・ライアン共和党下院議長は、異例の警告の中で、次のように語っています。

「我々は貿易戦争の影響を強く懸念しており、関税に関する計画を拡大しないよう政府に警告する」

 

鉄鋼輸入

 

中国、日本、韓国、カナダ、EUなどのアメリカの貿易相手国は、アメリカの輸入に対する関税の増加に報復措置を取るとはっきりと表明しています。それに対し、トランプ大統領も、報復措置があった場合、より多くの製品に輸入関税を課すと警告しました。

このような貿易戦争が起これば、世界の自由貿易の流れが損なわれると共に、アメリカの輸出が危険にさらされます。アメリカの雇用機会が脅かされ、国民は困難な状況に置かれるでしょう。アメリカの金属産業で働くおよそ14万人の労働者の利益を守るための輸入制限により、アメリカでは、少なくとも500万の雇用機会が危険にさらされると予想されています。

こうした中、保護貿易主義の支持者は、輸入制限によって、アメリカは最終的に勝利すると考えています。数日前、トランプ大統領はツイッターで、「貿易戦争はよいことであり、それに勝つことは簡単だ」としました。このようなアプローチは、自由貿易の継続に関するコーン委員長の見解とは矛盾するもので、コーン委員長の辞任の表明につながりました。

アメリカが現在の経済状況において、貿易戦争に耐えることができるのかには疑いの余地があります。2002年に当時のブッシュ大統領は、鉄鋼の輸入に関して同様の道を進もうとしましたが、それは最終的に失敗しています。

2018年03月08日21時03分
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