• トランプ大統領とマティス国防長官
    トランプ大統領とマティス国防長官

アメリカのシリア攻撃による騒動が収まりつつある中、アメリカ国内で、シリア問題を巡る見解の対立が少しずつ浮き彫りになっています。

ニューヨークタイムズは、トランプ大統領とマティス国防長官が、攻撃の許可を巡って見解を対立させていることを明らかにしました。フォックスニュースも、攻撃の拡大を巡って、マティス国防長官とボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の見解が対立していたことを伝えています。また、ロシアのシリア支援への対応方法に関して、ヘイリー国連大使とカドロー国家経済会議委員長が言葉の応酬を繰り広げました。

現在、シリアへのミサイル攻撃の決定者らは、生じた問題に対する関与を減らし、その責任を他者になすりつけようとしています。先週、アメリカは、およそ100発のミサイルをシリアに発射しました。その理由も、シリア政府がドゥーマで化学兵器を使用したためと説明されました。しかし、アメリカの攻撃前のプロパガンダに注目すると、先週土曜に行われたこの攻撃は、アメリカとその同盟国にとって、政治的、軍事的な成果をもたらすものではありませでした。

ロビンライト氏は、雑誌ニューヨーカーで、アメリカのシリアに対するミサイル攻撃は、何の成果もなかったことに触れ、次のように語っています。

「実際、シリアの軍事的なバランスや紛争の結果を変えるために行えることはほとんどない」

第一の問題は、シリア攻撃が、許可を受けずに行われたことです。シリアに対するミサイル攻撃は、国連安保理の許可を受けることも、アメリカ議会の承認を待つこともありませんでした。しかし、国連の加盟国に対する攻撃には、国連安保理の許可が必要です。また、アメリカ大統領は、憲法に基づき、あらゆる軍事行動の前に、議会の承認を受ける必要があります。

第二の問題は、シリア攻撃の拡大です。この攻撃は、アメリカ政府にとって大きな政治的負担を伴うものですが、シリアの軍事的なバランスに影響を及ぼしていません。言い換えれば、今回の行動は、シリアの政府を劣勢に追い込む以上に、シリアの反体制派の前に、アメリカの意志や力の弱さを露呈するものになりました。シリアの反体制派は、トランプ大統領が繰り返し脅迫を行っていたことから、もっと大規模で効果的な攻撃を期待していました。しかし、攻撃の後、シリア政府軍の兵士さえ、死亡することはありませんでした。このことは、アメリカが、7年に及ぶシリアの紛争で、決定的な役割を果たせるような力を持っていないことを示しました。

 

シリア攻撃

 

アメリカは、シリアの政治体制の主な支持国であるロシアに対してさえ、強い反応を示すことができませんでした。アメリカの攻撃では、反体制派の期待に反し、シリアにあるロシアの軍事拠点への攻撃は行われませんでした。ニューヨークタイムズによれば、トランプ大統領は、最後の最後に、ロシアに対する追加制裁の発動を妨げたということです。

このような数々の失敗、そして、アメリカ国内の政治、軍事組織の間の見解の深い対立を考慮すると、アメリカは、シリア紛争に対して、効果的かつ包括的な戦略を進めることはできないと予想されます。このことは、すでに、西アジアのアメリカの政治的な同盟国や、国内の好戦的なグループに、強い懸念を抱かせているのです。

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2018年04月18日17時27分
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