• アメリカと北朝鮮の合意の行方
    アメリカと北朝鮮の合意の行方

アメリカと北朝鮮によるシンガポールでの首脳会談から時が過ぎるにつれ、両国が和平に至ることへの疑いが色濃くなっています。

アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長との会談の後、北朝鮮の核の脅威が取り除かれたと語って喜んでいましたが、最近の発言の中で、この合意が実を結ばないかもしれないと語りました。トランプ大統領は、アメリカの国防情報局の報告を受け、次のように語りました。

「北朝鮮との合意が結果につながらない可能性がある」

 

アメリカのトランプ大統領

 

アメリカのボルトン国家安全保障担当大統領補佐官は、トランプ大統領の発言と同じ時期に、「北朝鮮の核兵器廃絶は1年以内には実現しないだろう」と主張しました。

現在、北朝鮮の核・ミサイル計画に対するアメリカの決定機関の間には、当惑や困惑が見られます。アメリカの16の治安・情報機関は、「北朝鮮は依然として、核・ミサイル施設の改築や核燃料生産に関する活動を続けている」と報告しました。この報告は、シンガポールでのアメリカと北朝鮮の首脳会談後の合意に対する北朝鮮の違反だとされています。政治評論家らは、この報告は、トランプ大統領の愚かさや弱さを示すものだとしています。

アメリカのチャック・シューマー民主党上院議員は、トランプ大統領に対し、「写真を撮るだけでは平和は実現しない」と皮肉を語っています。

シューマー議員の発言は、トランプ大統領がキム委員長と笑顔で写真を撮ったことや、その後のトランプ大統領のツイートを指しています。トランプ大統領は、シンガポールから戻った際、ツイッターに、次のように記しました。

「アメリカと北朝鮮の間の戦争の可能性は回避され、世界は今夜から安心して眠ることができる」

 

シューマー議員

 

こうした中、このツイートからわずか10日後、トランプ大統領は、アメリカ議会への書簡の中で、再び、北朝鮮をアメリカの国家安全保障への脅威のトップに据え、北朝鮮に対する非常事態宣言を延長しました。

キム委員長との会談から20日が経った現在、トランプ大統領は、アメリカ政府の北朝鮮との和平への失望とも取れる発言の中で、次のように語りました。

「北朝鮮との合意が結果につながらない可能性がある」

とはいえ、アメリカと北朝鮮の首脳会談以前から、合意が実現する可能性は低いと見られていました。アメリカの要求と北朝鮮の可能性の間には大きく深い溝があり、それが合意の実現を難しくしています。アメリカ政府の関係者は、これまで繰り返し、北朝鮮がまず、核・ミサイル施設を撤去すべきであり、その上で、北朝鮮で西側の企業が活動を行う機会が生まれるとしています。

しかし、パリ協定やイラン核合意からの離脱など、アメリカ政府のこれまでの約束違反により、アメリカへの信頼は大幅に低下しています。このようなアプローチを考慮すると、北朝鮮が最近のアメリカの報告を見て、核活動を続ける可能性も否定できません。引いては、この活動を加速させる可能性もあるのです。

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2018年07月02日19時20分
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