2019年09月07日21時26分
  • 殉教劇タアズィーエ
    殉教劇タアズィーエ

シーア派3代目イマーム・ホサインが殉教したモハッラム月10日、アーシュラーでは、イスラム教徒、特にシーア派の人々は、この日イマーム・ホサインを偲ぶ儀式を行います。

アーシュラーの音楽的影響は、この運動がよりよく広まった要因のひとつです。人々にとって、音楽が殉教物語に大きく関与していることは、預言者の一族を敬愛し、悼む心にも関係しており、詩やその他の宗教的芸術、劇などのレベルが向上する要因となります。

イスラム教徒は日常生活の中で、様々な場面に音楽を利用しますが、そのほとんどは、劇やアザーン、コーランの朗誦に見られます。また、モハッラム月の哀歌やモウラヴィーの詩を読む際、または殉教劇にも音楽を利用します。

アーシュラーの殉教物語の再現は、シーア派の文化において、驚くべき形で芸術と混ざり合っており、カルバラーの理想に対する誓いを新たにすることは、シンボリックな形で、ノウヘハーニーと呼ばれる哀歌を伴います。

ノウヘハーニーという哀歌は預言者ムハンマドの一族について語るときに歌われます。同時に、ドラマティックに盛り上げる技術も使われます。このような宗教的な音楽は、モハッラム月の追悼期間によく使われ、この追悼期間の最も重要な儀式とされる、ダステと呼ばれる葬列の集団の中や、ラジオやテレビなどのメディアで流されます。

このノウヘハーニーという哀歌は、カルバラーの殉教者を悼む中で、美しい歌声により歌われます。また、大小の太鼓やシンバルなどの打楽器、吹奏楽器のネイやフルートなども伴奏として入ります。確かに、過去において、ノウヘハーニーの歌手はこういった歌詞をイラン音楽のメロディに載せて歌っていましたが、この歌い手は、様々な地域において、現在もこのようなメロディを使っており、自分たちの部族の言葉で歌っています。

以前は、価値ある作品を残した一部の有名なイラン伝統音楽の歌い手が、ノウヘハーニーやそのほかの宗教的な形式の歌を歌うというのは、慣例的に行われていたことでした。たとえば、タージ・エスファハーニー、エグバール・アーザルといった声楽における巨匠は、そういった芸術家にあたります。この哀歌の詩は、歌い手によって選ばれ、ペルシャ語の韻律に沿って歌われます。また、メロディの展開やそのほかの特徴も、ダストガーという旋法体系によるイラン伝統音楽と大変よく似ています。

 

歌詞の一部分を重要な部分として繰り返すのは、注目すべき事柄ですが、他の部分の多様性も歌い手は考慮しています。また、この哀歌の音楽やリズムは、皆が復唱し、追悼儀式において合唱できるような形でアレンジされます。美しい声を持つ歌い手は、追悼儀式に立ち会っている人々の心を動かします。このため、暖かい声を持ち、美しく歌える若者が、ノウヘハーニーの歌い手に選ばれ、前もって練習に励むのです。

一方で、モハッラム月に行われる殉教劇タアズィーエは、音楽なくして行うことは出来ません。この殉教劇のせりふは詩の形式になっており、しばしば音楽と共にうたわれます。つまり、この殉教劇のために選ばれる役者は、指導により、伝統音楽の旋法体系や個々のフレーズを知る必要があるのです。このため、タアズィーエを経験した役者は、歌唱技術において、芸術家の域に達していることになります。

研究者の多くは、音楽とタアズィーエの関係を双方向的で、相互に利益をもたらすものとしています。タアズィーエはイランの人々の歌の一部を保存することになり、また音楽も歴史の中で、タアズィーエの普及と向上に重要な役割を果たしています。タアズィーエでは歌のない音楽も使われます。このような音楽のほとんどは、短時間のもので、それぞれのシーンや劇の中間、終わりに流され、そのほとんどは場面や内容の全体的な感情を表現しています。これは装飾的な側面を持っており、伝説と感情の2つに分類されます。興味深いのは、シンバルのような楽器の音が、武器の打ち合う音を示しており、観客に大きな影響を与えます。

賛美歌、ノウヘハーニー、タアズィーエで様々な役を演じること、そして前準備や必要な道具をそろえることは、収入源や職業とされず、その中では、純粋に信仰や宗教的な目的のみが注目されています。どの歴史的史料も、モハッラム月の期間、様々な人々がアーシュラーの追悼儀式を行い、この壮大な伝説を記憶に残すために活動し、タアズィーエやノウヘハーニーの動機が、純粋に個人的な心からの信仰であると証明しているのです。

 

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