• イランの液化ガスの輸出
    イランの液化ガスの輸出

今回は、イランの液化ガスについてお話しします。

液化ガスは、価値のあるエネルギー源のひとつです。液化ガスは、天然ガスを冷却して液体にしたものです。

 

液化ガスは、化石燃料である炭化水素ガスで、気体である天然ガスを冷却すると液体になります。液化ガスからは、メタンとエタンを液化したLNG液化天然ガスや、プロパンとブタンを液化したLPG液化石油ガスなどが生産されます。

 

液化ガスは、主にペンタンと炭化水素で構成されています。また、硫黄が含まれ、金属は含まれていません。液化ガスは採掘され、メタンとエタンが取り除かれた後に得られます。

 

液化ガスは、採掘された後に精製所に送られます。その後、液化ガスの炭化水素が地上の温度と圧力によって液体の形となり、パイプランに流され、貯蔵設備に移送されます。そのため、液化ガスは、LNGとは異なり、地上で保管するために、冷却したり、圧力を加えたりする必要はありません。ガス田で重量の軽い物質と重い物質が分離された後、重量のあるコンデンセートが消費市場に送られます。

イランの液化ガスの輸出

 

液化ガスはさまざまな形で応用されます。例えば、石油化学施設や精製所で使用されます。そのおよそ半分は、ナフサです。ナフサは、蒸留分離して得られる製品で、粗製ガソリンなどとも呼ばれます。

 

ナフサは、洗剤などの生産に利用されます。ナフサの主な顧客は、石油化学や化学工業分野の企業で、プラスチックや合成繊維、産業用アルコールなどの石油化学製品の生産に使用されています。

 

液化ガスは、石油、ガス関連の中でも独自の特徴を持っており、生産、市場、潜在的な顧客、価格設定といった点から、石油、天然ガス、その他の石油製品とは異なっています。液化ガスは構成する物質が少ないため、原油に比べ、加工にかかる費用が少なくなっています。

イランの液化ガスの施設

 

液化ガスは、さまざまな方法により、ケロシンやジェット燃料などに変えることができます。

 

液化ガスの精製所は、原油の精製所に比べ、精製の過程が少なくなっています。これにより、液化ガスの精製所への投資費用も、原油の精製所に比べて少なくなります。

 

世界で供給される液体は、2020年までに日量900万バレルを超えると見られています。世界で生産、供給される液化ガスの83%は、油田、ガス田から得られます。中東と北アメリカが、世界の液化ガスの主な生産場所となっています。

 

液化ガスは、ガス田の開発に依存しており、ガスの生産量の増加と直接、関係しています。イランは、33兆立方メートルを超える確認埋蔵量を誇り、世界最大のガス埋蔵国となっています。

 

イランのガスや液化ガスの主な生産部門は、南パールスの新たなフェーズの稼働にかかっています。南パールスは、イラン最大のガス田で、ペルシャ湾上のイランとカタールの国境にあり、イランの南岸から105キロ離れています。

 

これまでの調査により、南パールスガス田には、180億バレルを超える液化ガスが埋蔵されていることが分かっています。近年、南パールスの各フェーズの液体の生産が大幅に増加しており、現在の生産量は日量60万バレル近くになっています。そのうち45万バレルが輸出されています。

 

これまでに、南パールスから、2億バレル、100億ドル分の液化ガスが輸出されています。イランの液化ガスの主な輸出先は、韓国、日本、アラブ首長国連邦です。

 

一部の外国の情報筋は、最近、イランの液化ガスの輸出量が減少しているとしています。イランの石油・天然ガス部門の戦略的な政策のひとつは、エネルギー源の合理的な利用です。原料の売却の阻止、石油化学産業の発展、精製能力の向上が、イランの今後の計画となっています。

 

実施中の計画によれば、生産されたすべての液化ガスはイラン国内で生成され、原料を輸出するのではなく、国内の精製所で、ガソリンやナフサなどに加工されています。これについては、ペルシャ湾セターレ精製所とスィーラーフプロジェクトを挙げることができます。ペルシャ湾セターレ精製所は、日量36万バレル、スィーラーフ精製施設は、日量48万バレルの生産能力を持ち、イランの最も重要な精製プロジェクトとなっています。

 

これらの施設の稼動により、イランで生産された液化ガスの大部分は、さまざまな製品に加工されています。ペルシャ湾セターレ精製所とヌーリー石油化学コンビナートは、イランで最も液化ガスの消費量が多くなっています。

 

ペルシャ湾セターレ精製所では、南パールスから380キロ以上のパイプラインによって、液化ガスを確保しています。この精製所は、700ヘクタールの面積を誇り、面積の点で世界最大の精製所となっています。また今後、その拡張の可能性も残しています。

ペルシャ湾セターレ精製所

 

ペルシャ湾セターレ精製所は、西側がイランに対して最も厳しい制裁を行使してきた時代に、イラン国内の専門家などによって建設されました。この精製所の設備のおよそ80%は、国内で製造されています。ペルシャ湾セターレ精製所の建設の際には、最大でおよそ1万7000人が直接、建設作業に関わりました。

 

ペルシャ湾セターレ精製所の完全な稼動と3600万リットルのガソリンの生産により、イランにおけるガソリンの生産量は、日量1億リットルを超えると見られています。この生産量は、ガソリンの輸入の停止と国内の消費燃料の質の向上に加え、加工品を輸出する可能性も整えています。

 

ペルシャ湾セターレ精製所の3つのフェーズの稼動には、日量36万バレルの液化ガスが必要であり、この精製所の各部門の完成により、現在の消費量は今後、増加することになります。

 

世界最大の芳香物質の生産工場であるヌーリー石油化学コンビナートも、日量10万バレル以上の液化ガスを消費します。イランの液化ガスの現在の生産量は、63万バレルで、2020年までには130万バレルに増加すると見られています。

 

2018年02月14日21時15分
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