イスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、今月20日、イラン各地から来た数千人の人々と会談する中で、イランに対するアメリカの対話の提案とアメリカの悪意に関して、次のように語りました。

「この問題において、彼らはありふれた価値のない政治的なゲームを行っている。ある人物は前提条件なしにといい、また別の人物は前提条件を設けるといっている」

ハーメネイー師

 

ハーメネイー師は、アメリカと対話しないイランの論理について、次のように語りました。

「彼らは対話に関して、特別の条件を持っているが、それを理解すべきだ。そしてその後、理性ある人は誰もこの条件により対話しないのではないか、という疑問に答えるべきだ」

さらに、外交政策の慣例における協議の現実は取引として、次のように述べました。

「アメリカはいずれの協議においても、軍事力やプロパガンダ、金融の力を頼みにして、その目的の実現への抵抗を失敗に負いこもうとしている」

イランとアメリカの国旗

 

不誠実さによるアメリカへの信頼欠如

協議におけるアメリカに対する不信には、多くの例が存在します。ハーメネイー師はその例として、次のことを指摘しました。

「核協議は、アメリカの無責任さの明らかな新しい例である。長い期間の協議と、アメリカの約束の後、アメリカは最終的に核合意に満足せず、国連安保理からも認められたこの国際合意から離脱した」

5+1

 

アメリカの核合意離脱は、アメリカは不誠実で、どのような状況においても自国の利益ばかりを追求することを証明しました。

アメリカ・シンクタンクの太平洋評議会スコウクロフト国際安全保障センターの研究員、ホリー・ダグレス氏は、次のように語りました。

「イランは相互尊重に基づいた対話を信用しているが、トランプ政権は核合意から一方的に離脱したことで、信用できないことを証明した」

即時的に利益を求めるというのが、協議におけるアメリカの方法です。興味深いのは、相手側に即時の行動を期待するという点です。重要なのは正しい協議や取引の枠組みを示すことではないのです。この態度は、最近、アメリカと北朝鮮の首脳会談においても経験しています。

この枠組みで、ハーメネイー師は次のように述べました。

「アメリカは協議の中で、表面的には信用あるように約束するが、相手側には即時的な利益を要求し、実際に約束を守らない」

アメリカが相手側との協議において使っている方式とは、優位な立場に立った上での協議であり、駆け引きの中で、その目的から一歩も譲るつもりはないということです。このいわゆる取引外交の協議は、協議する側が一部の目的を譲歩し、思う形で協議を結論に至らせることを意味します。

核合意はこの協議の一例でしたが、アメリカは協議の中で語った言葉すべてを実行せず、アメリカの新政権の発足により、根本から核合意とは関係のない事柄をも提示されました。このことは、アメリカがその目的すべてを協議の中で語らず、その後、さまざまな時期において、その他の目的を明らかにし、論理的な協議の原則を守らないということを示しています。

核合意は、イランの核計画にのみ関するもので、この協議の中で、ミサイル問題や地域におけるイランの駐留について提起されるはずではありませんでした。トランプ氏の大統領就任により、これはアメリカの目的として提示され、イランの明確な反対を受けて、トランプ大統領は予想されていた通り、核合意から離脱し、再び阿アメリカが国際合意を守らないことを証明したのです。

アメリカと北朝鮮の協議

 

アメリカの外交政策の柱である圧力行使と制裁

脅迫と制裁は、アメリカの外交政策における最も重要な柱です。その政策の目的とは、相手側に圧力を行使し、最終的に相手側を譲歩させ、それから協議に入ることなのです。

この方法は、最近、アメリカと北朝鮮の協議でも使用されました。しかし、2国間の首脳会合がシンガポールで行われ、メディアの前でトランプ大統領の宣伝活動ショーが繰り広げられましたが、北朝鮮は核兵器廃絶に関するアメリカの要請やそのやり方に反対しています。アメリカのポンペオ国務長官は、21日火曜、「北朝鮮は60%から70%の核能力を削減するアメリカの提案に合意していない」と語りました。

この提案は、協議における目標を設定する上で、完全にバランスを欠いているということを明らかにしています。アメリカは北朝鮮に対する制裁を解除することなく、核兵器を廃絶すべきだと主張しています。この政策は、ハーメネイー師の言葉によれば、「アメリカは即物的な利益を追い求めている」ということなのです。

こうした中で、北朝鮮がアメリカとの協議の初日に楽観視していたものの、今はアメリカは協議の中で自国の利益しか追い求めていないという結論に達しているのは当然でしょう。こうした中で、北朝鮮の外務省は今月23日、声明の中で、アメリカは協議の相手国を侮辱し、信頼醸成にむけた純粋な努力を打ち壊していると非難して、次のように語りました。

「このような状況の中で、協議の結論を得ることに期待するのは、ばからしいことだ」

トランプ大統領

 

イランに対する圧力行使と協議の二重政策

トランプ大統領は、シンガポールで行われた北朝鮮との首脳会談がほとんど成功しなかったことを自身の政治的な勝利だとして、再び、イランに対する脅迫を行い、その後、ツイッターで、イランの体制責任者に対して、前提条件なしの協議を提案しました。

しかし、この提案は数時間も持ちませんでした。ポンペオ国務長官は、この前提条件なしの協議に前提条件を定めました。ポンペオ長官は、地域におけるイランの行動の変化が、協議の最も重要な前提条件だとしました。

アメリカの行動の不安定さは、彼らがイラン対策で混乱していることの現われです。現在のアメリカの閣僚は、イランは北朝鮮ではなく、決してアメリカのゲームに乗せられないということを良く知っています。これに関して、アメリカのインターネットサイト、ローブログは、数日前に、イランに対するアメリカの脅迫と協議の提案の同時進行について、次のように記しました。

「イランを孤立させるとしたアメリカの脅迫は、国際社会におけるアメリカの孤立化の危険性を生み出している。つまり、イランは中国やロシアとの関係をアメリカに対する圧力行使の手段として使用することができる」

アメリカの核合意離脱に注目すると、現在は、トランプ政権が思い描いているような状況ではありません。対イラン制裁は、イランを孤立させるためのものではなく、現在、ヨーロッパはアメリカ政府の独善的な立場に反対する立場を取っており、アメリカと同調していません。

この中で、アメリカのジャック・リード上院議員は、もはやイランに反対する上での団結は存在しないとして、次のように認めました。

「アメリカは核合意から離脱したが、その一方で、世界各国は反イランで団結しておらず、ヨーロッパの同盟国も手放している」

誰でも皆、協議とは信頼と約束の遵守に基づくべきだということを良く知っています。しかし、アメリカの政府関係者は、現在、核合意から離脱し、この原則を軽んじていることを示しています。イランのローハーニー大統領の言葉によれば、抑圧的で違法な制裁を行使している中で、協議の要請を主張することはできない、ということです。

アメリカはヨーロッパとの同調の中でも反イランで失敗していますが、協議によってその政治的な目的を果たそうとしています。この協議は、政治的な立場においても食い違い、結論が出ることがありません。

ハーメネイー師はこれについて、次のように述べています。

「アメリカの協議における方式を見ると、彼らと協議してきた世界各国のすべての政府は問題に直面している。アメリカ政府と同じ立場をとっている場合は別として、アメリカの現政権はヨーロッパに対しても理不尽な要求を突きつけてくるだろう」

 

欺瞞的なトランプ政権

アメリカの現政権は、最も欺瞞的な政権であり、トランプ大統領の就任時、次々に国際合意から離脱し、貿易戦争まで勃発させ、WTO世界貿易機関の使命を危機に陥れています。この状況により、約束を決して守らない政権との対話は論理的ではなく、協議という形式で理不尽な要求をしてくることに疑いの余地はありません。これに関して、アメリカ・シンクタンクの太平洋評議会スコウクロフト国際安全保障センターのマシュー・クロイナ顧問は、次のように語っています。

「トランプ大統領による、イランとの対話を希望する表明は、アメリカが長年使ってきた『アメとムチ』戦略によるものだ」

 

全体的に、国際関係の専門家は、前提条件なしの対話を受け入れると同時に、イランに対する敵対や脅迫を行うアメリカ大統領の行動の矛盾を指摘し、トランプ大統領は決して誠意を見せていないが、誠意を示せば、困難なイランとの協議も平易になるとしています。この状況により、ハーメネイー師は、さまざまな人々との会見で、アメリカとの協議は禁じられるとして、次のように語りました。

「もしアメリカと協議しようという、まずありえない行動を想定したとしても、決してアメリカの現政権とは協議しない」

2018年08月27日22時22分
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