金曜広場 2018年 8月31日  【山口・芝田】

(山口)さて、芝田さん、今年の日本の夏は西日本での記録的な大雨による土砂災害、それから全国的な異例の暑さという、大自然の厳しい洗礼を受けているような感じがしますよね。以前には群馬県や埼玉県、岐阜県などで40℃を上回ったというニュースを耳にしたことがありますが、今年は何と、名古屋でも40℃を記録したとのことで、過去にない厳しい暑さに見舞われている様子が毎日のようにメディアで報じられています。まさに地球温暖化の影響だと思うのですが、テヘランをはじめとするイランでなら、40℃を越えることは毎年のことですから、イラン人にとってはそれほど驚くべきことではないですよね。

(芝田)日本は本当に暑さが厳しくて、それに各地で大きな災害もあったりして、大変そうでしたよね。最近日本からこちらに来た人は、テヘランが涼しく感じると言っていました。こちらも40度を超えたり、毎日最高気温が40度近くになったりしますが、確かに驚くことではないですし、乾燥した気候のせいもあって、あまり暑苦しさは感じませんよね。

(山口)日本ではそうした高温に加えてあの湿気が加わることと、これまでにそのような酷暑を記録したことがない都市で40℃を記録したことから、熱中症で病院に搬送された方などもかなり多いようです。光熱費の問題もあるかと思われますが、必要な際にはしっかり室内の冷房を効かせて、またこまめに水分を補給なさるなど、熱中症対策に力を入れていただきたいと思います。

リスナーより

「今日は七夕、関東地方では曇りで雨が降らなかったので、織姫と彦星の逢瀬ができたのではないかと思います。アジアでは各国、それぞれの七夕伝説がありますが、遠く離れているイランには、星座にまつわる七夕伝説のようなものがあるのでしょうか」とのことです。

ラジオより

(山口)K・Oさん、お便りありがとうございます。ペルシャ語で、七夕を説明すると、星祭りということになるでしょうか。イランで言う星座にまつわる話題として真っ先に思い浮かぶのが、西暦の3月21日または20日からはじまるイラン暦のカレンダーですよね。

(芝田)そうですよね。以前の金曜広場でもお話したのですが、イラン暦の月の分け方は、ちょうど日本の星座の区切りと一緒です。でも七夕に似たようなお話はあまり聞きませんね。

(山口)ちなみに、IRIB国際放送ラジオ・パシュトゥー語のアフガニスタン人スタッフの話によりますと、イランのお隣のアフガニスタンでも、同じ太陽暦が使われているとのころです。但し、面白いことにイランとは違って、それぞれの月がおひつじ座の月、おうし座の月、ふたご座の月、という風に、まさにその月の星座名がつけられているというです。それから、イランの天文学といえば、、イランはガリレオ・ガリレイよりもはるかに早い時代、10世紀に、アブーレイハーン・ビールーニーという偉大な天文学者を輩出した国である、ということをぜひ皆様に知っていただければと思います。

 

自己献身

 

リスナーより

「自己献身の考え方は宗教ゆえでしょうね。イランのほかにイスラム圏では重要だと思います」とのことです。

ラジオより

(山口)A・Nさん、お便り有難うございます。自己献身、世のため人のためという考え方は、もちろん日本にもありますよね。ですけれどその一方で、我先に、自分さえよければという身勝手な行動も残念ながら決して少なくないと思います。さて、ここでイラン国内に視点を移してみますと、一般人の日常生活の隅々にイスラムをはじめとする宗教の教えが深く浸透していますが、その中でも、特に人様のために尽くす、自己献身という考え方がよく現れているイラン人の行動としてどんなものがあると思われますか?

(芝田)そうですね。私の印象としてはイラン人は基本的にとてもやさしくて、相談をすると必ず助けてくれますね。道を聞いても“知らない”と言わないので、たまに教えてもらったところに行っても目的地がなかった、ということもありますが、とにかく何かを聞けば調べてくれたり、教えてくれたりします。あとは食べ物を自分だけで食べない、というか、自分が食べ物を持っていて、他の人がないときには、必ず分けてくれようとしますよね。

(山口)イスラムという宗教の教えと申しましても、決して現実的な世界とかけ離れたことを教えているわけではなく、むしろよく注意してみますと、世界中どこでも通用する、人間としてわきまえるべき心得といったものが、コーランやイスラム倫理にはたくさん出てきます。たとえば、今あることに感謝して不足の思いや不満を抱かないこと、他人への批判や自画自賛をやめること、怒りを抑制すべきことなど、イスラムにはなるほどと頷ける素晴らしい教えが満載です。ラジオ日本語でも、番組内でそうしたイスラムやコーランの教えの素晴らしさを随時紹介しておりますので、是非今後とも皆様にご注目いただければと思います。

 

北川アナウンサーによるイラン音楽のコーナー

リスナーより

「イラン文化センター主催の東京イラン映画祭に行って、『シャルギー(東洋人)』と『ボディーガード』の2本を見てきました。実際に見て大変勉強になりました。本題中でも触れられていましたが、日本より海外でより有名な方とのことで、正直、私も今回の映画で初めて井筒俊彦さんの偉大さを知りました。また、もう1つの映画ボディーガードでは、テロを扱いながらも夫婦の会話や家族の思いが丁寧に描かれていて、よい映画を見たと実感しました」とのことです。

ラジオより

(山口)R・Aさん、東京イラン映画祭のご報告有難うございます。実は、もう2ヶ月ほど前だったでしょうか、あるルートを通じまして「シャルギー」の方は最初から最後まで一応見ました。日本や海外のしかるべき著名人、要人の方々のインタビューが沢山盛り込まれていて、本当に井筒俊彦さんの偉大さが見事に表現されているドキュメンタリーだったと思います。ボディーガードの方は、残念ながらまだ見たことがないのですが、いろいろな方面からこれもとても素晴らしい作品だと聞いていますので、これから是非見てみたいと思います。芝田さんは、この2本の映画、もしくはどちらかを見たことはありますか?

(芝田)私も先日、シャルギーを観ました。全編130分という長い映画だったのですが、それほどに、この研究者の活動が濃かったということでしょうね。この映画を制作するのに100人以上にインタビューを行ったそうです。この映画の監督の方が、井筒俊彦という人物は、日本の偉大な研究者だけれども、日本人よりもイラン人からの評価が高いと話していました。

(山口)本当に、日本人がイランをはじめとする外国の映画で題材として取り上げられることは、日本人として大変誇り高いことだと思います。また、これまでに私もイラン映画を何本か見たことがありますが、中でも非常に印象に残っているのは、確かドイツとの合作映画で、化学兵器の被害を取り扱った、「キャルヘからラインまで」、それから今は亡きイラン映画の巨匠キアロスタミー監督の「友達のうちはどこ?」です。とにかく、イラン映画には本当に素晴らしい作品が多く、時間がなくて見切れないのが残念なくらいです。今回日本で上映されたボディーガートも、是非見てみたいです。

 

リスナーより

「テヘランでは、不動産の価格が上がっていると聞いたことがありますが、住宅ローンなどはありますか」

ラジオより

(山口)M・Sさん、お便り有難うございます。ペルシャ語にも、ローンという意味を表すヴァームという言葉があります。私の周りのイラン人の中にも、ローンで住宅を購入したという話をよく聞きますが、イラン人は主にどのような機関からローン(借金)の提供を受けていると思われますか?また、イラン人が住宅以外にローンを組んで購入するものの筆頭は、やはり車でしょうか?

(芝田)住宅に関しては、住宅銀行、という銀行がありますよね。私も詳しくは分からないのですが、住宅を買う人が、この銀行にお金を預けるとローンが借りれるという仕組みらしいです。車もローンを組んで購入する人が多いですよね。以前は車に関してはローンが組めなかったのですが、それが可能になってから、テヘラン市内の車の数が大幅に増えたと聞きました。

(山口)なるほど。ほかにも私が聞いたことのあるケースとして、娘さんを嫁がせるある夫婦が、世間体からして見劣りしない嫁入り道具一式を揃えるのに、昨今では膨大な費用がかかることから、分割払いで購入したというケースがあります。こちらはペルシャ語でゲスティーと呼ばれていますが、巷のイラン人の話を聞いていると、何かしらのローンを組んでいたり、分割払いを抱えている人はかなり沢山いるようです。

(芝田)

確かに、ローンを組むことにあまり抵抗がない人が多いですよね。

 

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2018年09月01日14時59分
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