• タースーアーに寄せて
    タースーアーに寄せて

イスラム暦モハッラム月9日は、シーア派3代目イマーム、ホサインが殉教する前日で、タースーアーと呼ばれています。

数日前から、ウマル・イブン・サアドの軍勢は、イマームホサインとその一族の進む道をふさいでいました。ホサインの軍勢は水を手に入れることができませんでした。なぜなら、モハッラム月の7日から、ウマル・イブン・サアドは、ホサインの軍勢が水を手に入れられないようにしていたからです。子供たちはのどの渇きと空腹に苦しんでいました。彼らがこのような圧力をかけたのは、イマームホサインに、ウマイヤ朝の圧制者、ヤズィードへの忠誠を誓わせるためでした。しかし、ホサインは決して、この忠誠の誓いに満足せず、「誇りある死を選ぶほうが、屈辱にまみれて生きるよりもましだ」と言っていました。

 

タースーアーの日、つまりイスラム暦モハッラム月9日には重要な出来事が起こりました。この日、ウマル・イブン・サアドの軍勢がイマームホサインのテントにやって来ました。イマームホサインは、兄弟のアッバースを彼らのもとに送り、その意図を探らせました。これにより、彼らがイマームホサインの軍勢を襲撃し、彼らを殺そうとしていたことが分かりました。イマームホサインは再び、アッバースを彼らのもとに送り、この夜を神への礼拝によって過ごすため、襲撃を一晩、遅らせるよう求めました。このとき、ウマル・イブン・サアドの使いがやって来て、イマームホサインの軍勢が聞こえるようにこう叫びました。「我々は明日まであなた方に猶予を与えよう。あなた方が降伏すれば、あなた方をイブン・ズィヤードのもとに連れて行くが、もし降伏せず、忠誠を誓うことを拒めば、あなた方と戦うことになる」

 

タースーアーの日に起こったもう一つの重要な出来事は、イマームホサインが教友たちに最後の通告をしたことです。イマームホサインは、教友たちを自分のテントに集めて言いました。「ヤズィードの軍勢が狙っているのは私だけだ。あなた方は夜の闇を利用してここから遠ざかりなさい」

そう言い終えると、教友たちは純粋な忠誠と敬愛をイマームホサインに示しました。それぞれが我先にとイマームホサインに自分の決意を表明しました。一人は、「預言者の孫であるあなたを一人にすることなどできません」と言い、また別の一人は、「あなたの道のために70回殺されたとしても、それでも足りません」と言いました。

 

イマームホサインは言いました。「私は自分の教友たちほど誠実ですばらしい仲間を見たことはない。自分の一門ほど、すばらしい一門にもあったことがない。神があなた方すべてに善を授けてくださるように」

 

イマームホサインの教友たちは、死を恐れてはいませんでした。彼らは公正と真理を追求する道において殉教することを、屈辱にまみれて卑しく生きることよりもずっとよいことだと考えていました。彼らは皆、ホサインを敬愛しており、それは彼らの信仰心からくるものでした。

 

イマームホサインが殉教した前日、モハッラム月9日のタースーアーには、イマームホサインの異母兄弟であったアッバースの気高い地位に敬意を表し、その殉教と忠誠心に追悼が捧げられ、哀歌が歌われます。アッバースは若い頃、非常に美しかったために、「ハーシェム家の月」と呼ばれていました。スィッフィーンの戦いでは、わずか12歳であったにも拘わらず、敵の軍勢に立ち向かい、敵は彼の姿を見ただけで恐れおののいたほどでした。アッバースは敬虔で礼儀を重んじ、誠実で優れた洞察力を備えていました。

 

アッバースは、イマームホサインが圧制に対して蜂起したカルバラの出来事の中で、ホサインの軍勢の旗手を務めました。彼は水を用意したり、テントにいる女性や子供たちの安全を守ったりしていました。アッバースは常に、女性と子供に安心感を与えていました。なぜなら、敵は遠くからアッバースを見ただけで恐れをなし、テントに近づく勇気を持たなかったからです。

 

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、アッバースについて次のように語っています。「アッバースは、洞察力と忠誠心で知られていた。イマームホサインの教友たちは皆、洞察力を持っていたが、彼のそれは、他の人々を超えていた。タースーアーの日、彼がこの災難から自分を救う機会を見出したとき、つまり、敵の軍勢が彼のもとにやってきて、降伏と安全の保証を提案したとき、アッバースは非常に勇敢に対応し、敵を後悔させた。アッバースは、自分にホサインから離れろというのかと驚きを示した。また、自分と一緒にいた3人の兄弟たちにも、彼よりも先に戦場にいって戦うよう指示した。こうして彼らは殉教した。彼らは4人兄弟だったが、目の前で、イマームホサインのために兄弟が犠牲になることも厭わなかった」

 

一部の人々は、アッバースがタースーアーの日に殉教したと考え、この日にアッバースに追悼を捧げる儀式を行っていますが、アッバースとイマームホサインのすべての教友たちは、その翌日のアーシュラーの日に、神の宗教を救うために殉教しました。

 

アッバースはまた、非常に忠誠心の強い人物でした。ハーメネイー師はこれについて次のように語っています。

「最後の瞬間、子供たちや女性たちはのどの渇きに非常に苦しんでいたため、イマームホサインとアッバースが水を取りに行った。2人の勇敢な人物は、互いを助けながら敵と戦った。イマームホサインは60歳に近かったが、その勇気と力は他に類を見なかった。アッバースは30歳を過ぎたばかりだった。この2人の兄弟は、敵の軍勢の真ん中に立ち向かっていった。テントで待つ人々のために、水を手に入れるためである。この厳しい戦いの中で、イマームホサインは、敵が彼と兄弟のアッバースの間を引き離したことを感じる。そのとき、アッバースは水に近づいた。彼は皮袋に水を要れ、テントに運ぼうとした。ここで、普通の人間ならば、自分で一口水を飲もうとするだろう。だが彼はここでも忠誠心を示した。アッバースは水を手に入れると、イマームホサインのことを思い、テントで待つ子供や女性のことを思った。そして一口も水を飲まなかった。その後、あの出来事が起き、彼は立派に殉教した」

 

 

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2018年09月19日19時19分
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