7月 08, 2018 20:11 Asia/Tokyo
  • イラン石油生産業
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アメリカの投資銀行、メリルリンチが、イラン産原油の輸出をゼロにする政策の結果について警告しました。

メリルリンチは、「イラン産原油の輸出をゼロにする政策が行われれば、世界市場の原油価格は1バレル120ドル以上に高騰するだろう」と警告しました。

 

アメリカの投資銀行メリルリンチ

 

アメリカ政府は、「11月4日までにイラン産原油の輸出をゼロにする」と強調しました。アメリカ国務省の関係者は以前、アメリカ政府は、イラン産原油の輸出をゼロにしようとしており、イランから原油を購入したいかなる国や企業も、制裁を免除されることはないと主張しました。

アメリカのトランプ大統領は、5月8日、一方的に核合意から離脱し、対イラン制裁の2段階の復活に関する大統領令に署名しました。アメリカの銀行による警告は、イラン産原油の輸出をゼロにする政策の悪影響を指摘するものであり、この銀行のアナリストによれば、この数年で前例のないほど、原油価格が高騰すると見られています。トランプ大統領の政策によれば、イラン産原油が世界のエネルギー市場から排除されても、原油の価格には影響がないはずです。しかし、アナリストは、影響がないはずはないと見ています。トランプ大統領の政策により、原油の輸入国では、ガソリンなどの石油製品の価格高騰は避けられず、それによって市民の不満が高まるでしょう。もし、このシナリオが実際に起これば、今年11月にはアメリカ議会の中間選挙が控えていることから、共和党の支持率の低下にもつながります。

 

アメリカにおけるガソリンスタンド

 

トランプ大統領は、中東のアメリカの同盟国、特にサウジアラビアに、イランの石油の不足分を補うほどの増産の力があるという誤った考えを持っています。しかし、それは非常に難しいでしょう。サウジアラビアは現在、最大の生産力によって原油の輸出を行っています。サウジアラビアの現在の産油量は、日量1000万バレルを超えており、200万バレルを増産するためには、採掘、移送、輸出のインフラを整える必要がありますが、それは決して簡単ではありません。

 

サウジアラビアの石油産業

 

こうした中、イラン政府は、イラン産原油の輸出停止に向けた努力について警告しています。イランのローハーニー大統領は次のように警告しました。

「アメリカは、イラン産原油の輸出を完全に停止させたいと主張しているが、彼らはその言葉の意味を分かっていない。イランの原油が輸出されず、地域の原油が輸出されるなどということはまったく意味がない。あなた方は可能であれば、それを試してみるがよい。その結果を見ることになるだろう」

 

イランのローハーニー大統領

 

この他、トランプ大統領の政策や行動により、世界にはそれに抵抗する動きが形作られています。この中で、中国やインドといったイランの原油の主な輸入国は、イランからの原油の購入を続けることを強調しています。中国とインドは、自国のエネルギー確保における混乱を受け入れることができません。イラン産原油が排除されれば、他の国からの原油の輸入が確保される必要がありますが、それは簡単なことではありません。

また、核合意の維持に向けたヨーロッパの提案は、以前よりも少ないながら、イラン産原油の購入の継続を保証するものです。これらすべての問題は、イラン産原油の輸出をゼロにする政策が失敗することを意味しているのです。

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