2018年08月06日20時26分

アメリカは、1979年のイスラム革命の勝利後から常に、イランに対して敵対的な態度を取ってきました。アメリカのトランプ大統領は、以前のアメリカ大統領による各時代の政権のイランに反対する立場を続ける中で、イランに対する敵対行為を、選挙期間中も、大統領就任後も取り続けてきました。

トランプ大統領はイランに対する多くの言葉による攻撃を行い、特に核合意を攻撃し、これはアメリカにとって最悪の合意だとしました。

8月6日からの核関連の制裁復活の第1段階が近づく中、イランとアメリカの言葉の応酬は高まっています。

イランのローハーニー大統領は最近、イランを脅迫すべきではない、イランはアメリカを後悔させる回答を与えるからだと警告を発しました。これに対して、トランプ大統領もローハーニー大統領に対して、ツイッターで、大文字により、今後アメリカを決して脅迫すべきではないとしました。

トランプ大統領のこの警告は、真剣に取られるのではなく、特にアメリカの民主党や、インターネット上で嘲笑されています。イランイスラム革命防衛隊のソレイマーニー司令官は、最近のトランプ大統領の脅迫に対して、次のように語りました。

「イランとの戦争の開始は、アメリカのすべての可能性の消滅を意味し、アメリカが戦争を始めれば、その終わり方を描くのはイランだ」

こうした脅迫に対するイラン側の断固とした反応により、アメリカの国防長官などの高官らは、イランへの軍事攻撃に向けた可能性は存在しない、としました。

トランプ大統領は、最近のブラフでも、イランと合意を締結する用意はできていると主張しました。彼は7月24日、カンザスシティにて、アメリカ軍の退役軍人の前で、次のように演説しました。

「イランと真の合意を締結する用意がある」

トランプ大統領は、7月30日にも、イタリアのコンテ首相とホワイトハウスで会談し、前提条件なくイランとの対話を行う用意があるとしました。

 

ローハーニー大統領

 

このように、トランプ大統領は少なくとも表面上は、イランと対話をしたいとしています。NIAC・イラン系アメリカ人協議会のトリーター・パールシー会長は、CNBCチャンネルのウェブサイトに公開された記事で、次のように語りました。

「ローハーニー大統領との会談に関するトランプ大統領の提案によって、より良い合意を得られることはない。我々は、機会を手放したことになる」

いずれにせよ、過去の経験から、トランプ大統領が取引によって対話を推進しようとしていることは明らかです。彼は対話を提案する上で、最大限の圧力と脅迫をかけ、相手側に対して優位な立場で協議を行おうとするのです。

エルバラダイ元IAEA国際原子力機関事務局長は、イランの関係者との対話を求めたトランプ大統領の表明に反応し、次のように記しました。

「ある国を脅迫し、貶めれば、その後、その国は協議しようとは思わないだろう」

 

アメリカのポンペオ国務長官

 

一方、アメリカのポンペオ国務長官は、トランプ大統領と異なる立場を取りました。トランプ大統領がローハーニー大統領と無条件で話し合うと語った数時間後、ポンペオ国務長官はあるインタビューで、この協議には前提条件が定められるべきだとしました。彼はまた、トランプ大統領とローハーニー大統領の会談は支持するが、この実現のためには一連の前提条件があると強調しました。ポンペオ長官は、次のように語りました。

「我々は以前、トランプ大統領は問題解決を求めていると言った。もしイランがその行動を根本から変える約束をし、粗暴な行為を停止し、実質的に核兵器を増やすのを防ぐ価値ある合意を締結することを受け入れるのであれば、トランプ大統領はイランと対話する用意ができる」

ポンペオ国務長官は核合意離脱後にも、新たな合意に関する12の条件を提示しましたが、これについてはアメリカ国内で、非現実的だという声が数多く聞かれました。一方で、トランプ大統領とポンペオ国務長官の間の矛盾した立場と行動の理由は何か、という疑問が提示されています。また、アメリカはどのような合意をイランと締結したいのだろうか、という疑問も、もうひとつの問題です。

この疑問については、トランプ大統領が閣僚との相談や調整なしに決定を下していたり、多くの問題に関して、突発的にツイッターでつぶやき、立場表明を行っている、と回答すべきでしょう。このことは、ティラーソン前国務長官などの多くの政府高官がトランプ大統領と決別した理由でもあり、一方で、核合意などに関するトランプ大統領の非論理的な立場も、ティラーソン前国務長官がトランプ大統領から離れていった理由のひとつだとみなされます。

また、基本的に、トランプ大統領はどのような合意をイランと締結する用意があるか、という問題ですが、ポンペオ国務長官の12の要求に基づいた、トランプ政権のイランに対する立場や要求に注目すると、アメリカはイランがアメリカの要求を無条件に呑むとき、イランとの合意を締結するといえます。こうした中、このような行動は、合意ではなく、アメリカに対する完全な服従となるでしょう。おそらくこのため、イランに対するアメリカの要求は、アメリカ国内外で、トランプ大統領の批判者による多くの嘲笑を受けることになったのです。

アメリカのシャーマン元国務次官は、トランプ大統領を学校にいる子供にたとえて、次のように語りました。

「学校で騒ぎ立て、大げさに振舞う行う子供を見たことがあるが、一方で我々が直面しているのは、安全保障の欠如や弱体化だ。イランが屈することはないだろう」

シャーマン元国務次官はイランが横暴や抑圧に屈することがないことを指摘しており、イランは数十年間、アメリカのさまざまな陰謀に抵抗してきました。ある危機管理に関する研究所の研究員も、昨年の秋にも出されたトランプ大統領の会談の提案は、目新しい事柄ではないとして、次のようなツイートを行いました。

「第1に、アメリカが現状の合意に違反している中で、ローハーニー大統領が新たな合意について話し合うどのような理由が存在するのだろうか。第2に、トランプ大統領はイランの利益となるどのような合意を締結できるというのだろうか」

イランとの対話に関する、アメリカのこれまでの行動を見ると、次のような事実が明らかになってきます。それは、アメリカがこれに関してまったく誠実でなく、対話を、イランを屈服させ、最終的には何の成果もない長い道に引きずりこむための政治的な道具として利用しようとしているというものです。一方で、アメリカの対話の目的は、イランに対するアメリカの過剰な要求を突き付けることなのです。

イランのアブートラービー大統領顧問

 

イランのアブートラービー大統領顧問は、ツイッターで次のように述べています。

「対話が対立の解消のための方法であると考えている人物は、そのための手立てを講じることも義務付けられている。イランの偉大な国民に対する敬意、敵意の緩和、アメリカ核合意復帰、これらは現在の困難な道を平易にする事柄だ」

以前の行動から明らかなのは、アメリカがイランとの対話の中である事柄を受け入れても、後にそれを反故にするということです。一方で、イランはアメリカに対し常に、対話の原則や相手側の権利を遵守するよう求めてきました。アメリカは対話の基本的な原則すらも尊重しない、ということができるでしょう。

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