9月 25, 2020 17:00 Asia/Tokyo
  • イラン・イラク戦争
    イラン・イラク戦争

聖なる防衛とは、1980年9月22日(イラン暦1359年シャフリーヴァル月31日)は、イラクの旧バアス党政権がイラン領土への軍事侵略と空爆により開戦した戦争への、イランの祖国防衛を指し、この対イラン全面戦争は俗に「イラン・イラク戦争」とも呼ばれています。

この日、12のイラクの地上部隊が1000km以上に及ぶイラン南西部の国境を侵略し、この戦争の初期段階で早くもイランの複数の都市と数十の国境の村を占領しました。その結果、防衛手段を持たない多数のイラン人女性と子供たちがサッダームの拡張主義と野望の犠牲となりました。

イランの防衛軍との戦いで連敗を喫したサッダーム軍は、そこで戦争犯罪と民間人へのロケット弾攻撃、そしてイラン北西部・西アーザルバーイジャーン州サルダシュト、そしてイラクのクルド人居住区ハラブジャに対する禁止化学兵器の使用という、暴挙・愚行を強行します。

イラン軍への連敗に甘んじた後、遂にサッダーム軍は国際的に承認された国境の向こう側に押しやられ、国連決議598により1988年8月20日に両国間で停戦が成立、終戦となりました。

サッダーム政権がイラン・イラク戦争を開戦した表向きの理由は、国境における対立ですが、その理由の深層には、世界の大国がイラクに対し、イラン排除により地域における大国にのし上げることを約束した裏事情があります。サッダーム政権は地位を求めていたことから、しかも1週間でテヘランを占拠し、またイランのイスラム共和制を打倒できるとの極めて楽観的な見通しのもと、あっさり開戦に踏み切りました。こうして、サッダーム・フセインの権力欲や地域に対する愚鈍な空想にアメリカのゴーサインも加わり、大国が地域的、国際的なレベルの対サッダーム政権支援網が形成され、イランに対峙するという戦線図が出来上がりました。

また、この戦争に関してはさらに、これらの超大国や地域の一部の国の政権が1979年のイランイスラム革命の勝利によりペルシャ湾岸地域における自らの不法な利益が危機に瀕している、と見なし、サッダームに大規模な財政、軍事援助を行い、政治、宣伝の分野でもそれを後押ししていたことに留意する必要があります。

イスラム革命の勝利の当初から、イランに対する特にアメリカの敵意や陰謀が始まり、次第に拡大していきました。覇権主義大国も、対立や競争を抱えつつも共通の目的を持ち、世界の大国の覇権の否定を根源とするイランのイスラム革命を脅威と感じていました。このため、全ての敵はイスラム革命への対抗を目指して団結し、イスラム共和制を崩壊させるために陰謀を企てます。その結果、この全面戦争の勃発に至り、覇権主義大国は、イスラム革命を頓挫させるべくイラクのサッダーム政権を支援する側に回りました。

イスラム革命勝利以前のパワーバランスは、表面的にはイランに有利でした。しかし、裏を返せばこの状況はイランが地域における米の利益を守る憲兵の役割を果たしていたことになります。これは、イラクやサウジアラビアにとって目の上のたんこぶのようなものでした。つまり、アメリカはサッダーム政権が、イランのイスラム体制を転覆させることで、地域でイランの代役となる結果を目論んでいたのです。

また、戦争の結果に関する予想は、サッダームやイランの敵にとって大変魅力的で希望が持てるものでした。中には、いずれの大国の支持が得られないことから、イランのイスラム共和制は開戦から1週間足らずで転覆する、とまで予測されていました。しかし、結果はそうした予測から大きく外れたものとなりました。

これらの国は、信仰心あるイランのイスラム戦士によるイラク侵略軍への勇敢な抵抗に遭ったため、イラン・イスラム共和国の打倒という自らの目標を達成できなかったのです。

イラン・イラク戦争の終結により、アメリカの対イラン政策は、直接的な対立から数カ国による対イランけん制という戦略に方向転換されました。革命の勝利によって築かれたイスラム共和制により、アメリカなどの覇権主義体制の素顔が露呈されたことも、留意すべき事項と言えます。この出来事は、世界の支配体制に対する抑圧された人々の見解に生じた重要な転換点となりました。

イランの人々にとって、聖なる防衛の時代は、単に精神的な献身の価値を思い起こす時代ではなく、今日、そして後の世代にも継承される価値ある経験だったとも言えます。このため、イラン・イラク戦争の聖なる防衛の時代は、多角的な視点から捉える必要があると思われます。

毎年イランでは、イラクによる開戦日のシャフリーヴァル月31日(2020年は9月21日)から、侵略者に対するイランの聖なる防衛を記念した「聖なる防衛週間」が始まり、一週間にわたって関連行事が開催されます。

 

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