May 20, 2022 03:11 Asia/Tokyo
  • 対イラン制裁の違法性
    対イラン制裁の違法性

国連特別報告者のエレナ・ドーハン氏が、「一方的な対イラン制裁は人権侵害である」とし、アメリカ政府に対し食品、医薬品、水資源、そして保健衛生分野での制裁を止めるよう求めました。

ドーハン特別報告者は人権確保に対する暴力的・一方的な措置が及ぼす悪影響に関して18日水曜、記者会見し、12日間にわたる自らのイラン訪問の成果を報告しました。

ドーハン氏

 

ドーハン氏はこの中で、「各種の対イラン制裁は、国連人権理事会や国連総会の視点から見て正当化できない。一方的な制裁は、イラン国内での人権状況を危険に陥れている。これらの制裁は、イランの製品輸出や銀行への制裁、さらには食品や医薬品に対する制裁にまで発展しており、その結果、国家歳入の減少や物価高騰、難民やシングルマザー、そして社会的に被害を受けやすい弱者の貧困の増大につながった」と語りました。

イランは1979年のイスラム革命の後、対外貿易や石油、銀行・金融サービスの分野で数多くの制裁を受けてきました。しかし、イランと取引関係にある外国企業に対するアメリカの二次制裁は、一般市民を直接・間接的に狙い、医療患者向けの医療サービスや医薬品の確保・調達にまで影響を及ぼしています。

こうした中、制裁を受けている国の国民が、制裁により人道に反する影響を蒙ることはもはや否定できません。ともに経済学者のマティアス・ノイエンキルヒ及びフロリアン・ノイマイヤー両氏による制裁の影響に関する研究からは、制裁対象国において所得面での不平等や貧困、GDP国内総生産の減少が発生することが明らかになっています。例えば、1991年から2018年にかけてのアメリカによる各種制裁により、制裁対象国では貧困率がおよそ3.5%増加し、一方で国民1人あたりのGDPの成長率が約2%減少しました。

アメリカの一方的な制裁を受けているイランにおいても、対外貿易が影響を受けており、政府の財源の一部が喪失、あるいは凍結されています。国連特別報告者の報告によりますと、こうした制裁によりイラン経済に1000億~1200億ドルもの損害が及んでいるということです。

米バージニア工科大学で教鞭をとるイラン出身のジャヴァード・サーレヒー・エスファハーニー教授は、2010年から2019年までの期間にわたるイランでの制裁の影響に関して、「農村世帯は、最も大きな打撃を受けている。2010年以降、農村部では貧困率が2倍に増大し、都市部でも60%増加している」と語りました。

言うまでもなく、アメリカによる違法で一方的な対イラン制裁で生じたこれらの弊害は、貧困やインフレ、市民に対する経済的逼迫につながっています。このため、制裁による国民生活への影響はないとする制裁行使国の言い分は認められません。実際に、厳しい対イラン制裁行使の主要な理由の1つは、国民の生活状況をさらに厳しいものにし、国民の健康を危険に陥れることで、政府当局者を圧迫することにあります。

国連の人権専門家は2021年10月、ある報告においてイラン国内で一部の医療患者が、アメリカの制裁の結果として必要な医薬品や医療器材を確保する際に遭遇している困難に言及し、これらの制裁により患者らが特に健康面での権利をはじめとする人権を剥奪されていることを強調しました。

こうした中、アメリカの一方的な制裁により、国際機関を通じての人道支援提供もかく乱され、彼らにとっての送金手段・ルートも遮断されています。このため、イランでは一般市民や社会的な弱者はもちろん、アフガン難民に対する制裁の影響も否定できないのです。もちろんこれは国際法に照らして違法であり、国連特別報告者もこの事実を認めています。

このようなことから、イラン政府のバハードリー・ジャフロミー報道官は、「国連報告者がアメリカの一方的な制裁を人道への違反として認めたことは、人権を口では主張しておきながらイランに対する最大限の圧力行使を続行するアメリカにとってもうひとつの汚点となった」と述べています。

 

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