6月 22, 2022 17:44 Asia/Tokyo
  • 難民危機拡
    難民危機拡

ヴァヒーディー・イラン内相が、6月20日の「世界難民の日」に際してのメッセージにおいて、「この日は、戦争や紛争、情勢不安への恐れから、人間としての最低限のニーズである身体的安全のために故国や住処から他の土地へ避難を余儀なくされている、安全に住める場所のない多数の人々の要求や懸念、ニーズについて考える機会である」と表明しました。

ヴァヒーディー内相はさらに、特にアフガニスタンをはじめとする西アジアでの難民危機拡大へのアメリカの破壊的な関与に触れ、次のように述べています。

「世界の一部地域におけるアメリカ政権の軍事駐留や占領は、情勢不安、さらには地域の諸国民から大量の難民が発生する元凶となってきた。過去1年間の情勢変化においても、国際世論は改めて、アフガンでのアメリカ政権による治安かく乱行為を目の当たりにしている。そして、アフガンでの20年間にわたるアメリカの軍事駐留の負の遺産の片鱗は、老若男女をはじめとする様々な階層を含む大量の難民の発生となって具現している」

アメリカは、ジョージ・W・ブッシュ政権時代にあたる2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、いわゆる世界規模でのテロとの戦い、そしてテロ組織アルカイダと同類だとして非難してきた、当時のタリバン政権の打倒を口実にアフガンを攻撃し、同国を占領しました。この占領が最高潮に達していた2011年には、アフガン駐留米軍および、NATO北大西洋条約機構軍の兵士の数は実に14万人以上にも達しています。しかし、20年間にわたる米・NATO軍のアフガン駐留は結果的に、同国での情勢不安や貧困、麻薬生産・密輸、テロリズムを増大させたに過ぎませんでした。

 

当時の支配勢力だったタリバンが再びアフガン政権を掌握し、トランプ前米政権がこの組織とカタール・ドーハにて和平協定を締結したことで、バイデン米現政権はやむなく、ベトナム戦争よりひどい段取りで、何の成果も挙げないままアフガン戦争に終止符を打ちました。バイデン氏は、2021年8月を期限とする米軍撤退命令を発していましたが、これは撤退というよりもアフガンからの無様な逃避行とでも言うにふさわしいものでした。

 

現在、事実上タリバン組織がアフガンの政権を掌握してはいますが、世界のいずれの国もこれを正式には承認しておらず、アフガン国民の現状は日増しに悪化しています。国連およびその関係諸機関はこれまでに何度も、アフガンの経済・社会・人道面での惨状に関して警告してきました。当然ながら、アフガンの経済・社会状況の更なる悪化は近隣諸国にとっても、難民の大量発生や同国の国境付近の治安の悪化、麻薬の生産・密輸の増加、さらにはテロの脅威の増大といった悪影響を及ぼしています。

 

同時に、タリバンによる政権掌握・アフガン全土支配後、同国が好ましくない状況に陥ったことから、大量のアフガン難民が発生し、しかもこれらの人々の多くが特にイランをはじめとする近隣国に流入しています。イランは過去40年間にわたり、恒常的に数百万人ものアフガン難民を受け入れてきました。

 

ヴァヒーディー・イラン内相はこれについて次のように述べています。

「1979年のイスラム革命後、わが国の現体制が発足してからの過去40年間を通じて、特にイラン東部と国境を接する国々をはじめとする近隣諸国の情勢変化により、わが国の国境地帯には、継続的な戦争や紛争への恐れから避難してきた大量のアフガン難民が押し寄せた。この期間中にもわが国は、あえて声高にスローガンを連呼することなく、難民支援という戦略を掲げてきた」

 

アメリカは、人権やアフガン人支援の分野でのスローガンを叫んではいるものの、バイデン現政権の行動ぶりは明らかにそれとは真逆のもので、テロ犠牲者の遺族への損害賠償にアフガンの凍結資産およそ70億ドルを充てるという、とんでもない行為に走っています。しかし、事実はアメリカこそが、テロ組織ISISへの支援するなどの行動で、特に米軍の撤退直前のアフガンにおけるテロの惨状を引き起こした張本人に他なりません。しかもアメリカは、あの手この手を使ってアフガン市民への支援提供を実質的に妨害している、というのが現状です。

 

その一方で、イランは過去40年間において最多数のアフガン難民を受け入れ、1980年代の対イラク戦争時代や現在までの数十年にわたる圧政的な制裁下でも、国内で就労・就学・生活を続ける数百万人のアフガン難民へのサービス提供を滞りなく継続しているのです。

 


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