8月 03, 2022 19:25 Asia/Tokyo
  • 米の凋落
    米の凋落

西アジア、あるいは中東と呼ばれる地域は、伝統的にアメリカが影響を及ぼしている地域です。

米国はこの地域で大規模な軍事インフラを有し、各国内・地域レベルでの安全保障面での情勢変化に大きく関与しています。にもかかわらず、今日のアメリカの状況は、10年前とは比べ物にならないばかりか、様々な側面で明らかに凋落しています。

その第1の理由は、地域の独裁政権がアメリカを信用できなくなっていることです。アメリカが西アジアで優位を保ってきた理由のひとつに、常に独裁政権を支持してきたことがあります。しかし、トランプ前政権やバイデン現政権による地域の強権政権への見方は、彼らがあくまでも米国にとっての「同盟国」などではなく、政治的「道具」に過ぎないということを証明しています。「石油」という因子がなければ、アメリカにとっては何の価値もなかったということです。

トランプ氏はサウジ政権指導部を指して、アメリカの支援なしでは取るに足らないと何度も表明していました。バイデン氏もこの見方でもって、サウジを「拒絶された国」に貶めるべく画策し、同国に対して否定的な見方を持っていることを明らかにしました。

アメリカがアラブ諸国を道具とみなしていることを再び証明したのは、ウクライナ戦争だけです。こうしたことから、サウジを筆頭とするアラブ諸国は、自らに対するアメリカの見方と西アジア地域におけるその政策に初めて直面し、地域問題のような自らの課題はアメリカの介入なしで管理できるという姿勢をとり、表明したのです。こうした姿勢は、まさにイランが1979年のイスラム革命以来44年間とってきたものです。

アメリカの西アジアにおける凋落が明らかな2つ目の理由は、この地域においてロシアと中国が自らに対する信頼を構築していることです。中国は、地域の国々と貿易・経済関係を結びたいと思っており、西アジアへの自らの影響力を経済関係の強化により増強させようとしています。地域諸国も、自らの経済政策の推進のため中国の資本を必要としています。それゆえ、地域諸国はアメリカから距離を置き、長期経済協力協定などにより中国との経済関係を強化しているのです。

ロシアも中国ほどの経済力はないものの、地域諸国の間で信頼を構築しています。ロシアは2011年以降、対テロリスト戦争においてイランとともにシリアを支援しています。さらに、イラン・ロシア関係も、イランを上から目線的、手段的な視点ではなく、この両国間の相互尊重・信頼は時とともに増してきています。最近のプーチン大統領のイラン訪問および、イラン最高指導者・大統領との会談も、両国の相互尊重・信頼を具現していました。

ロシアと中国は、地域に対する自らの政策とは別に、この地域におけるアメリカをけん制しこれに立ち向かおうと共に努力しています。実際、両国は西アジアにおいて互いを補完し合い、互いに介入することはありません。イランとロシアあるいはイランと中国の相互尊重、また中露間の協力関係は、アラブ諸国の間でアメリカへの不信感の増大を引き起こしました。なぜなら、アメリカとアラブ諸国の間には相互尊重はなく、西アジア地域でのアメリカの政策は失敗し、アラブ諸国の立場の弱体化をもたらしたからです。したがって、地域諸国での離間の策の優先というアメリカの政策に対抗することが、アラブ諸国にとっての優先課題となり、これは西アジアの地域秩序および、この地域におけるアメリカの立場にとっても重要な変化とされます。

3つ目の理由は、イランが主導する抵抗運動のモデルとその成果です。1979年のイラン・イスラム革命の勝利とともに、西アジアでは抵抗の枢軸が結成されました。シオニスト政権イスラエルの不敗神話の崩壊や、アメリカの内政干渉への抵抗、アラブ諸国・イスラエル・西側諸国が支援するテロリストとの戦い、テロ集団ISISの拡大と各国への浸透の阻止、西アジア地域における抵抗の枢軸の抵抗地政学への変化などが、地域における抵抗運動の成果です。西アジア地域における抵抗運動が強化されればされるほど、地域は進歩し、アメリカの位置づけは弱体化してきたのです。

 


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