視点;無人機により火炎地獄となったサウジアラビア(日本語のナレーション付)
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無人機により火炎地獄となったサウジアラビア
サウジアラビア主導アラブ連合軍によるイエメン戦争の開戦から、4年半が経過しています。
サウジアラビアのサウード政権は、この戦争を長期化させることで、イエメンのシーア派組織アンサーロッラーとその同盟国の息の根を止めようとしました。しかし現在、サウジアラビア政府はイエメン戦争に対するこうした解釈が誤っていたことを悟っています。それは、戦争の長期化により、アンサーロッラーとその同盟国が自らの防衛・侵略能力を強化し、サウジアラビアとUAEアラブ首長国連邦に甚大な被害を与えることに成功したからです。
サウジアラビアに対するアンサーロッラーとその同盟国のとった措置の1つは、先月実施された、サウジアラビア国営石油会社・サウジアラムコ社の天然ガス施設への攻撃、および今月14日に実施された、サウジアラビア東部にある同社の2つの精油所への無人機による新たな攻撃です。
サウジアラビアの石油施設に対するイエメン軍とアンサーロッラーの無人機の攻撃に、アメリカのポンペオ国務長官が反応を示しました。ポンペオ長官は、アメリカ製兵器を使用し、またサウジアラビアの主導によるこれまでの4年間での多数の罪なきイエメン国民に対する爆撃を無視し、今回のサウジ石油施設への攻撃の責任はイランにある、とし、さらにはイラン政府が今回の無人機作戦の黒幕だと主張しています。
アメリカ民主党のマーフィー上院議員は、ポンペオ長官の反イラン的なツイートを批判し、ツイッター上で次のように述べています。
「サウジアラビアは、イエメンを攻撃しており、イエメンも報復している」
この点に関して、アメリカのトランプ大統領は14日土曜、サウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、今回のサウジアラムコ社の施設に対するイエメンの義勇軍と政府軍の無人機による作戦に触れ、この攻撃がアメリカや世界の経済に悪影響を及ぼすだろうとしました。
こうした現状に照らし、イエメン戦争でのサウジアラビアの戦略が変更されることが予想されます。戦争の長期化は、サウジアラビアの利益と相容れるものではなく、同国は戦争の終結および、イエメンという泥沼からの脱出に向けた下地作りに努める必要があります。それは、戦争の継続によりサウジアラビア政府がさらに重大な敗北を喫することになりかねないからなのです。
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