May 04, 2020 16:29 Asia/Tokyo
  • イラクでのISIS
    イラクでのISIS

この数日、テロ組織ISISの戦闘員がイラク民兵組織ハシャド・アルシャビの拠点を攻撃し、同組織のメンバー数十人が殉教、負傷する事態になっています。

ISISは2014年、米国とその西側同盟諸国、加えてサウジアラビアなどのアラブ諸国から資金・軍事援助を得てイラクを攻撃し、同国の北部・西部の広範囲を占領、数多くの犯罪に手を染めてきました。これを受けて、イラクはテロ組織掃討のため、イランに支援を要請しました。

イラン軍事顧問の支援を得たイラク軍は2017年11月17日、同国内でISISの最後の拠点となっていた西部アンバール州の町ラワの解放に成功しました。この町の解放によって、イラクでのISISの活動に事実上終止符が打たれたのです。

このようにイラクではテロ組織が壊滅させられたにも拘らず、今も地域に戦闘員が潜伏し、散発的にテロを行っています。

イラクでISISの脅威が一掃されていない理由に関しては、以下の点が考えられます。

第1に、米軍撤退を求めるイラク国民の圧力が高まるのと同時に、ISISの脅威も高まりつつあるという点です。イラク議会は去る1月5日、即ち抵抗軍(=ハシャド・アルシャビ)の高官が米軍に暗殺されてから2日後に米軍の撤収・追放案を可決しました。

イラクの国民や各勢力もこの数ヶ月間、同国からの米軍撤収と、これに向けたイラク議会の議決の施行を訴えてきました。

多くのアナリストやイラクの要人らの考えでは、ISISの脅威は米国との連携により再び増大しています。これは、「米軍がイラクから撤退すればISISの活動が再び活発化するぞ」というメッセージをイラクの国民や政府、各組織に発信しているのだと解釈されています。

実際に、米国はISISやその活動を支援することで、イラクに米軍駐留継続の下地を作ろうとしているのです。

この点を踏まえ、親イラン派民兵組織・バドル機構の上級メンバーであるムハンマド・マハディー・アルバヤーティ氏は、「イラクで起きている最近のテロ攻撃は、米国およびサウジアラビアの支援により行われている。それは、彼らがイラクにテロリスト復活の下地作りを目論んでいるからだ」と指摘しました。

イラク議会のシーア派会派・アルヌジュバ運動のナスル・アルシャムリー報道官も、「米軍のイラク撤退の話が持ち上がる度に、必ずテロ組織の活動が活発になる」と述べています。

第2に、イラクでISISの活動が再び活発化していることは、政府が国内でもろい存在であることと無関係ではないとの指摘が可能です。イラクは昨年12月1日から現在まで、事実上国家の行政は暫定政府により運営されており、新たな首相に指名されたムスタファ・カゼミ氏による内閣もまだ組閣・発足に至っていません。

正式な政府や政治の不在は、ISISの脅威の増大化にとってまたとない機会です。こうした中、暫定首相が率いる暫定政府中枢の大半の部門は、新型コロナウイルス対策に追われる形となっています。

 

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