8月 05, 2020 21:22 Asia/Tokyo

報道各社の間で、レバノンの首都ベイルートで4日火曜に起きた大規模な爆発と、第2次世界大戦末期のアメリカによる広島・長崎への原爆投下が比較されています。

ベイルートの爆発は、その発生原因はさておき、小さいながらも西アジアの重要国であるレバノンに少なからぬ影響を与えると見られています。

現地時間の4日夜に発生した今回の事故の原因などに関しては、まだ明らかにされていません。しかし、今回の爆発は破壊行為か、意図的あるいは無作為、国内因子あるいは外的因子のいずれによるものであったにせよ、レバノンに重大な影響を及ぼしているように見えます。

レバノンのシーア派組織ヒズボッラーは、声明の中で次のように述べています。

「今回の痛ましい大惨事とそれによる前代未聞の破壊やその人道、衛生、社会、経済面での危機的な結果に注目し、レバノンのすべての政治団体や国民が、今回の痛切な出来事を乗り越えるため団結、連帯する必要がある」

爆発による衝撃が明白に体感された今回の事件の第1の影響は、その甚大な犠牲者の数です。

複数の統計によれば、今回の爆発事故でこれまでにおよそ100人が死亡したほか、4000人以上が負傷しており、これらの数はさらに増える可能性があります。しかし、こうした人的被害に加えて、この度の事故はレバノン市民にも甚大な精神的ショックを及ぼす可能性があります。それは、レバノン市民がベイルート中枢部を破壊されたことに加え、近親者や同胞たちを失って精神的な打撃を受けているからです。

小型核兵器の爆発を連想させる今回の事故、それによる第2の重大な影響として、経済分野への影響が挙げられます。

現レバノン政権にとって治安問題さえも招いた、現在の最重要課題は経済問題です。レバノンの一部メディアによれば、同国内に展開する一部の西側寄りの因子が短期間に国内から200億ドルもの莫大な資金を国外に持ち出したとされています。このことはレバノンの通貨レバノン・ポンドの70%もの大暴落を引き起こしました。4日の爆発により、レバノンの経済や現政権はさらなる問題を抱えたことになります。

英紙ガーディアンはそれに関連して、「レバノン国内で消費される小麦のうち90%は、今回の爆発の中心となったターミナルを通じて輸入されてくる。その一方で、わずかここ数ヶ月の間にレバノンでは食品価格が80%高騰した」と報じました。

レバノンの新聞アル・アフバーリーヤも、「ベイルート港に入ってくる製品は、レバノンへの全輸入品の70%以上を占めている」と報じています。

駐レバノン・イラン大使を歴任したダストマールチヤーン氏は、今回の爆発が経済分野にもたらす影響に関して、次のように述べています。

「この度の爆発は、ベイルート港内での小麦の備蓄に甚大な被害を及ぼしている。この港に備蓄されていた小麦全体の90%が失われた。その結果、レバノン市民の生活に深刻な弊害が及ぶ可能性がある。故に、レバノン政府はこの点に関して考える必要がある」

さらに、ベイルート港の修復や、商業施設、民家、組織機関の再建にも巨額の費用が必要です。ですが、それは現在のレバノンの経済力をはるかに超えるものです。

第3の影響は、今回の爆発事故が政治分野に及ぼす影響を指摘できます。

レバノン政府は今回の事故発生に関与したわけではなく、それに関する過失すらも政府とは全く関係ありません。しかし、今回の事故は現政権に政治的な圧力を加える形となります。現在のレバノン・ディアブ政権は発足からわずか半年ですが、既に最も激しい圧力にさらされており、国内外の反対派は現政権の打倒を狙い大規模な工作を打っています。その最近の例が、今月3日のヒッティ外相の意図された辞任です。

レバノンの反体制派は今なお、国民の精神的なダメージを利用して、ディアブ政権に対してさらなる心理戦を展開しようとしているのです。

 

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