4月 05, 2021 16:16 Asia/Tokyo
  • ヨルダンの国王アブドッラー2世
    ヨルダンの国王アブドッラー2世

ヨルダンの消息筋が今月3日夜、同国の国王アブドッラー2世に対するクーデターが失敗し、およそ20人が逮捕されたことを明らかにしました。

この一報から48時間弱が経過した現在もなお、2日前に起きたヨルダンでの動向の全容は明らかにされていません。しかし、これに関しては3つの視点が存在します。

第1の視点は、ヨルダンの王子らがアブドッラー2世に対しクーデターを試みたものの、未遂に終わったということです。もっとも、こうした出来事には王族間の問題や社会的な背景が存在していました。ヨルダンでは1999年2月から2004年11月までは、現国王の異母兄弟であるハムザ・ビン・フセイン王子が前皇太子を務めていましたが、アブドッラー2世は2004年11月28日、ハムザ王子を解任しています。この解任の口実としては、この地位が形式的なものに過ぎなかったことが挙げられています。しかし、アナリストらは、ヨルダン国王がこのポストの存在により自らの権限が制限され、また自らと政府官吏らとの間の障壁であったと見なしていた、との見方をとっています。

このため、ハムザ・ビン・フセイン前皇太子は、クーデターを起こすのに必要な動機を持ち、また現在の社会的背景もその動機に一役買った形となりました。そうした社会的背景には、逮捕拘束後にハムザ王子も指摘した大規模な政府の腐敗、度重なる抗議行動の引き金となった市民の経済難の増大、さらには新型コロナウイルスに政府が十分に対処仕切れなかったことなどが指摘できます。

第2の視点は、ヨルダンで起こったことはクーデターではなく、権力構造において政府自身がハムザ王子と彼の支持者に対し計画した陰謀だったという点です。ヨルダン国営ペトラ通信および、同国の一部の国内情報筋、そして外国のメディアは、ハムザ王子、イブラヒムアワドゥラ元王宮長官、現国王の遠縁に当たるハッサン・ビン・ザイド氏らとシオニスト政権イスラエルと疑わしい関係を持っていること、さらには治安上の理由を、これらの人物の逮捕理由として挙げました。しかし、そうした中でヨルダン人の批評家らは、同国の現在の問題の舞台裏で、現国王の異母兄弟ハムザ王子が権力構造内と人々の間の両方で、自身のための社会的拠点の創出を試み、これは現国王アブドッラー2世の恐怖感を煽った、と考えています。

ヨルダンの著名な反体制派ナスィール・アルウムリ氏は、ツイッター上の公式アカウントにツイートを投稿し、ハムザ王子をはじめとした同国での一連の逮捕劇の原因として、同王子がの国民的な人気の上昇を指摘し、また、国王に対するクーデター容疑をハムザ王子がかけられていることには疑問が残るとして、「これは、最近の国情が自らの思惑通りにならないことを不服とした、国王側からの予防措置だった」との見解を示しました。

第3の視点は、ヨルダンで起こったことは、アブドッラー2世に対する外国の要員が演出した措置であり、そして実際には、最近のこの出来事はサウジアラビア、UAEアラブ首長国連邦、シオニスト政権イスラエルによって仕組まれたということです。すでに逮捕されているイブラヒムアワドゥラ元ヨルダン王宮長官は、サウジアラビアのムハンマド皇太子、ムハンマド・ビン・ザイドUAE皇太子と密接な関係を有しています。また、ヨルダン人の評論家ナージー・アルザアビ氏は、ハムザ王子がサウジ寄りであることを指摘し、「私が思うに、どうやら複数の勢力が、ヨルダンを危機と混乱の瀬戸際に追い詰めようとしているように見受けられる」とコメントしました。

アラビア語のニュースサイト・アラビー21も、「現ヨルダン国王の遠縁に当たるハッサン・ビン・ザイド氏は以前に、駐サウジ・ヨルダン国王特使を務めていた。また、イブラヒムアワドゥラ氏は2007年に王宮長官に着任し、またそれ以前には国王府長官を歴任している。逮捕されたこの2人の人物は、サウジと強力な関係を有しており、サウジの国籍かパスポートを所持していると、多くの者が考えている。イブラヒムアワドゥラ元王宮長官は、近年ではムハンマド・サウジ皇太子の相談役として活動していた。彼はサウジアラビア国営石油会社・サウジアラムコ社の民営化の考案者の1人でもある。さらに、ハッサン・ビン・ザイド氏も、サウジに在住し同国で投資しているヨルダン王族のひとりだ」と報じています。

これら3つの視点のいずれかが正しいかは兎も角、現ヨルダン国王に関しては1つの事実が存在します。それは、アブドッラー国王が1999年2月7日に父親のフセイン国王の逝去後王位に就いて以来22年経った後も、自国民と自らの一族の両方、さらには一部のアラブ諸国の支配者らとの仲が望ましい状況にはないということです。

 

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