7月 08, 2022 02:22 Asia/Tokyo
  • ロシア産天然ガス
    ロシア産天然ガス

プーチン露大統領を敗北に追い込み、同国にウクライナ戦争継続を断念させるはずだった各種制裁が、現在ではヨーロッパでガス料金が7倍の値上げ、原油価格の1バレル380ドルへの高騰をめぐるうわさ、そしてアメリカの株式市場の30%下落を引き起こし、ヨーロッパ経済に嵐が到来するという警告も出てきています。

フォンデア・ライエン欧州委員長は6日水曜、フランス・ストラスブール市に本部を置く欧州議会において、ロシア産天然ガスの完全禁輸のリスクを理由とした、EU経済における混乱に関して警鐘を鳴らし、「EUは、ロシア産天然ガスの完全停止に備えた緊急計画を必要としている」と語りました。

米JPモルガン銀行の専門家らも最新の査定評価において、「ロシアが1日当たりの産油量を500万バレルにまで削減すれば、現在では1バレル110ドル程度の原油価格が、380ドルにまで上昇しかねない」との見方を示しています。

今年はアメリカの金融市場も燃料価格の高騰やインフレを受け、30%も暴落しました。英紙フィナンシャル・タイムズは、ガス料金の値上げにより欧州では電気料金が4倍に高騰していると報じており、また米国際情報サイト・ブルームバーグも「これまでに発表されている複数の統計によれば、ヨーロッパは現在、昨年比でおよそ700%のガス料金の値上げに直面している」と報じています。

 

エネルギー分野における現在の危機の主要な原因の1つはウクライナ戦争であり、これはエネルギー生産大国の1つであるロシアに対する同国への制裁行使に大きく関係しています。

 

欧米諸国は去る2月24日、ウクライナにおけるロシアの「特殊軍事作戦」の開始と同時に、ロシアの企業組織や個人に数千もの制裁を行使し、これによりロシアはわずか数週間で、世界で最も多くの制裁を受けている国となりました。

これらの制裁の目的は完全にはっきりしています。それは、プーチン大統領を敗北に追い込み、ロシアにウクライナでの戦争継続を断念させることにあります。しかし、5000件以上とも言われるこれらの制裁をもってしも、ウクライナ戦争は依然として続いており、ロシアも最近、ウクライナ東部ルガンスク州を完全したと宣言しています。

ロシアがウクライナの東部・南部という戦略的地域の多くを制圧したと同時に、対ロシア制裁はエネルギー関連をはじめとした一部の分野では、逆にロシアの利益と化しています。

IEA・国際エネルギー機関は、「今年5月におけるロシアの石油生産は、日量およそ1055万バレルに増大している」と発表しました。このことは、同月におけるロシアの石油収入が、その前月と比較して11%増加し、およそ200億ドルに達していることを意味しています。

EUのジョゼップ・ボレル外務安全保障政策上級代表は最近、ヨーロッパにおけるエネルギー価格の上昇と経済危機という現実を認め、「EUが実際に感じているエネルギー危機は、EUが民主主義の防衛や、EUの政策決定におけるロシアの影響を止めるために支払わなければならない代価である」と語りました。

 

ロシア国家安全保障会議のメドベージェフ副議長は6日水曜、SNSアプリ・テレグラム内の自らのチャンネルにおいて、「ロシアを懲らしめようなどという西側諸国の考えは笑止の沙汰であり、まったく無意味だ」とし、「ロシアを法廷で裁くべくための準備が整えられるべきだなどと、一体誰が声高に叫んでいるのか?民衆を殺め、処罰されずに戦争犯罪に手を染めながら、国際機関により資金源を保証されている輩こそ、本当に裁かれるべきではないのか?」との疑問を提示しました。

 

メドベージェフ氏は情報サイト・グローバル・リサーチの調査結果に言及し、アメリカは第2次世界大戦の終結後現在まで、37カ国において2000万人以上の人々を殺害しているとしました。これまでにベトナムやイラク、アフガニスタン、シリア、さらには世界のそのほかの地域において、アメリカとその同盟国の軍により引き起こされた戦争犯罪に対し、国際機関が生ぬるい態度をとっていなければ、今世界はこのような大混乱には陥っていなかったと思われます。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram    Twitter    urmediem


 

タグ