8月 15, 2022 20:38 Asia/Tokyo
  • アメリカ、ロシアと中国の国旗
    アメリカ、ロシアと中国の国旗

アメリカの著名な国際政治学者・戦略家ヘンリー・キッシンジャー氏が、同国の政策に関する最新の見解表明の中で、「アメリカは、中国やロシアとの戦争を始める寸前にある」と語りました。

かつて米国務長官も務めたキッシンジャー氏は、同国の国際的経済紙ウォールストリートジャーナルのインタビューで、「我々は、その集結方法や結果について何も考えることなく引き起こした問題をめぐる反目のために、ロシアや中国と戦争を始める一歩手前にいる」と述べています。

ウクライナに対するアメリカの財政・軍事的支援は、アメリカとロシアを直接的な対決にさらしました。ソ連崩壊後、米国はロシアをその国境内に封じ込める政策を掲げ、NATO北大西洋条約機構による東方、さらには旧ソ連から独立した諸国への拡大も、この戦略に沿って実施されました。

アメリカはNATO拡大を正当化すべく、1994年1月にベルギー・ブリュッセルで開催された NATOサミットで「平和のためのパートナーシップ」プログラムを承認しました。NATO 拡張プロセスの最も重要なメカニズムとなる上記の文書では、欧州・大西洋地域の安定と安全は協力と集団的行動によってのみ達成できるとされていました。また、その中軸となる価値観を、基本的な自由や人権の支援および拡大、民主主義による自由・正義・平和の維持だとしました。

米国は、ロシアを平和のためのパートナーシップ計画への参加に誘うことで、ロシアの視線をNATO拡大から外させようとしました。しかし、NATO拡大に向けたアメリカの行動は、米の安全保障という傘の範囲の欧州、さらに旧ソ連諸国における維持および拡大という政策を、長期的に正当化することはできませんでした。

実際、NATOはビロード革命の道具となり、旧ソ連邦から独立した各共和国におけるアメリカと西側の影響力を拡大し、ロシアの影響範囲を狭めました。ロシア国境へのNATOの拡大は、長期的にはロシアの主権と領土保全を脅かすことになります。ロシアは地政学・軍事的大国として、旧ソ連の崩壊後におけるアメリカの覇権への挑戦者となりました。最終的に、ロシアは旧ソ連からの独立諸国へのNATO拡大に反対し、ウクライナのNATO加盟要求は、危機扇動に向けたアメリカの挑発点と見なされます。

キッシンジャー氏は、「NATOは、ウクライナの加盟を可とするメッセージを発信したことで、過ちを犯した」と考えています。

西側諸国がロシアの対ウクライナ特殊軍事作戦に強く反発し、最も厳しい経済・貿易制裁を行使したことから、ロシアと中国の関係が強化された形となりました。

米国は、中露関係の拡大に対する懸念を繰り返し表明しており、中国恐怖症にもとづく政策を強化し、東アジアでの政治・軍事的行動を強化することで、同地域の政治・軍事的均衡を混乱させてきました。

中国との軋轢を高める米国の最近の行動として、中国の反対と脅迫を押し切ったペロシ米下院議長の台湾訪問が挙げられます。

キッシンジャー氏は、バイデン政権のこうした政策に批判的であり、過去50年間における台湾をめぐる米中の政策が、台湾での中華民国政府の樹立につながったと考えています。したがって、この基本構造を乱すような行動には細心の注意を払う必要があり、これこそはアメリカの現政権によって無視されている問題なのです。

 


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