9月 10, 2022 19:07 Asia/Tokyo

70年間イギリス女王の座に君臨したエリザベス2世が、96歳で死去しました。これに伴い、息子のチャールズ皇太子が73歳にして新国王チャールス3世として即位しました。

エリザベス女王はかつて、95歳で国王の座を息子に譲ると述べていました。しかし、在位晩年となったこの数年、王室の権限の多くを一族のより若いメンバーに委ねてはいたものの、結局女王の座から退くことはありませんでした。

エリザベス女王は1926年4月21日に生まれました。その後、父親のジョージ3世が死去したことに伴い1952年2月6日に即位して以来、70年間にわたり英女王として君臨しました。これは、イギリス王室史上最長記録となっています。

イギリス王室は象徴的、儀礼的だと言われてはいるものの、その各種の権限に視線を投じれば、今なおイギリス国王が注目に値する多くの権限を有していることが分かります。その中には宣戦布告や議会の解散、首相の罷免が含まれ、さらに自分が選んだ人物を首相に選出することもできるほか、それらに対し責任が問われることはありません。

また国王は、他国であればイギリスのマスコミも差別的、非民主主義と非難されるような、数多くの特権も有しています。また、かつて大英帝国の植民地下にあり、現在はイギリス連邦(コモンウェルス)に属する国々に対する権限も、その中に含まれています。とはいえカナダやオーストラリアなど一部の国では、国内の各政党や国民の抗議を受け、イギリス国王の権限は次第に縮小されています。

イギリス王室は長い伝統を有しているものの、この数十年間は様々な理由により、国内で王室への反対意見が増加しています。そうした例として、モラルに反するようなスキャンダルの多発や、王室メンバーの立て続けの離婚、婚礼から葬儀までの王族のセレモニーにかかる巨額の費用、国家予算から王室に拠出される巨額の年金などが挙げられます。

さらに、英王室関連の注目すべきもう1つの問題として、王室メンバー内における一連の見解対立も指摘されます。その例として、エリザベス女王の孫にあたるハリー王子の妻・メーガン妃は、2020年3月に行われたあるインタビューで、英王室内に歴然とした人種差別があることを明言しました。メーガン妃が有色人種であり、かつ一般家庭の出身であることは、英王室メンバーにとって容易に受け入れられる事項ではありませんでした。

今回、エリザベス2世からチャールズ3世への王位が継承される一方で、イギリス国内では王室制度の廃止を求める声が高まっています。

世界の多くの国において王室制度が廃止され、国民の投票により政府を運営する幹部が選出される共和制が支持されていることも、イギリスで王室廃止論が高まる原因となっています。

数千人のメンバーおよび数万人もの支持者を有するイギリスの共和制運動は、英王室が観光客を引き付ける魅力の1つになっているとする主張を否定するとともに、王室制度は歴代の英国王がかつて行った国民への暴虐を想起させるものだと主張しています。同組織はまた、国内で王室制度の行末に関する国民投票を実施することを求めています。

この一方で、北アイルランドでの最近の選挙において共和派であるシン・フェイン党が勝利したことは、少なくともカトリック教徒が多数派を占める同地域において、英王室制度が求められていないことを物語っています。

さらに提起される別の問題は、チャールズ3世新国王の取るアプローチや志向です。イギリス王室評論家のロバート・ジョンソン氏は、『70歳のチャールズ;その思考、希望、夢(Charles at Seventy - Thoughts, Hopes  and Dreams)』という著作において「チャールズ氏は、一部のヨーロッパ諸国の対イスラム政策に反対しており、それらの法律が人権侵害に当たると考えている。彼はまた、アラブ諸国への武器売却のためのあやつり人形としてこれ以上利用されたくないと思っている」と説明しています。

この著作によれば、チャールズ3世新国王は、イギリスの好戦主義的な諸政策には反対しているということになります。彼は2003年、イラク戦争にイギリスが参戦することについて当時のブレア首相に反対を表明しており、イラクに大量破壊兵器が存在するとしたブレア政権の主張に疑問を呈したほか、側近らに対しても、「ブレア首相はイラク攻撃に関して地域諸国に相談すべきだった」と語っていたということです。

 


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