4月 27, 2017 20:55 Asia/Tokyo
  • アメリカ国防総省へのトランプ大統領の権限委譲

アメリカのトランプ大統領が、アメリカ軍総司令官としての権限の一部を国防総省に委譲しました。この決定により、シリアとイラクに派遣するアメリカ軍部隊の上限を決定する権限が、国防長官に委ねられることになります。これを受け、今後はマティス国防長官らが、トランプ大統領の許可を得ずに、自らが適切と判断した数の軍隊をイラクとシリアに派遣できるようになります。

トランプ大統領が、国防総省と軍に自分の権限を移管するのは、これが初めてのことではありません。数週間前、アメリカ軍司令部は、初めて、爆弾の母と呼ばれる強力な爆弾をアフガニスタンへの攻撃で使用しました。その後、トランプ大統領がそれを行う権限を軍に委譲していたことが明らかにされました。そして今、イラクとシリアに派遣するアメリカ部隊の上限の決定権が国防総省に委譲されることになりました。

国防総省の権限拡大を支持する人々は、敵国との戦争では、現場の司令官が実戦の場で迅速な決断を下すことが必要になり、司令部からの指示を待っていては損害を蒙る可能性があると考えています。そのため、常に、アメリカ軍の司令部は、自分たちの権限を増やすために、国防総省や政府に働きかけています。

こうした中、軍の司令官の権限拡大は、現在、数カ国で戦闘を行っているアメリカのような国にとって、軍事的な挑発行為の危険を拡大するものです。また、一部の決定の軍への委譲は、軍事作戦に関する情報伝達の可能性を縮小します。1960年代のベトナム戦争の経験は、世論の目を離れた国外での軍の介入が、アメリカにどのような悪夢をもたらすかを示しました。この経験から半世紀が経った今、アメリカの現政権は、当時と同じような道をたどっているようです。

国防総省の統計によれば、現在、アメリカは、イラクに5262人、シリアに503人の部隊を保有しているはずですが、実際の数は、それを上回ると見られています。今回の国防総省への権限委譲により、国防総省は、シリアとイラクの部隊の数を増加することができます。また、国防長官は、この2カ国におけるアメリカ軍の駐留に関する情報を機密情報とし、世論への情報伝達を混乱させることができるようになります。

このような状況に注目すると、トランプ政権は西アジアの戦争にますます巻き込まれようとしているようです。しかし、トランプ大統領は選挙戦の中で、前政権によるアフガニスタンとイラクでの戦争への参加を非難していました。

しかし、トランプ大統領はこれまでの政府と同じ道をたどるだけでなく、軍の権限を拡大しています。

クルーズミサイルのシリア発射の指示、朝鮮半島周辺での軍事力の強化、強力な爆弾のアフガニスタンへの発射、国防総省への権限の委譲、これらのトランプ大統領の行動は、アメリカの政治における好戦性の拡大を示しているのです。