2017年05月13日18時23分
  • アメリカの通商政策に対する世界の懸念

G7・7カ国財務相・中央銀行総裁会議が、イタリア南部のバーリにて、2日間の日程で行われ、この中で各国の財務大臣はアメリカに対し、数十年に渡る世界の自由経済政策の成果を危機に陥れることのないよう求めました。

この会議では、4つの中心議題、つまり、格差、国際的な課税、サイバーセキュリティ、テロへの資金提供対策について検討されました。この会合には、日本、イタリア、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダの財務大臣や中央銀行の総裁、欧州委員会の経済・金融関連の幹部や経済専門家、世界銀行やIMF国際通貨基金、OECD経済協力開発機構の代表など、400人が出席しました。

この会議では様々な問題が扱われましたが、明らかに、アメリカを除くG7の財務大臣が強く懸念しているのは、アメリカのトランプ大統領の経済・通商政策による、世界経済への影響です。

トランプ大統領は、世界の経済的な競争相手からアメリカの経済や企業を保護するための介入を宣言しており、これによって、世界最大の経済大国による保護主義政策の推進への懸念が高まっています。

フランスのサパン財務大臣は、以前から、アメリカ政府の通商政策を批判し、全体的な経済の成長と安定を保証する成果を危機に陥れることになると批判しました。

イタリアのパドアン財務大臣も、トランプ政権の経済・通商計画に対する懸念を示し、それは野心的な計画だとしました。トランプ大統領は繰り返し、自身の優先事項の一つは、アメリカの経済状況の改善だとしています。

トランプ大統領はアメリカへの外国製品の流入を妨げるために関税率を上げ、資本家や富裕層などの人々に対する税率を下げることを支持しています。トランプ大統領の目的は、投資家に対するアメリカ国内への投資の奨励であり、アメリカの雇用機会を増やすことです。また、他国に貿易協定を見直す協議を求めています。また、大統領令を発したように、すべての二国間、あるいは多国間の通商協定を見直すよう要求しています。

一方、このトランプ大統領のアプローチは、G7の先進国や、G20・20カ国の新興国の懸念を引き起こしています。トランプ大統領の新たな通商政策に注目すると、アメリカでのこれらの国の輸入品の最終価格は、大幅に上昇し、これらの国のアメリカ市場における競争力は著しく低下することになります。この問題により、アメリカの主要な経済相手国となっている国は、トランプ政権の通商政策の見直しを求めており、またドイツなどの一部の国は、この問題に関するトランプ大統領の公約が実施されれば、WTO世界貿易機関に訴えるとしています。

明らかに、トランプ大統領の輸入制限の目的は、アメリカの輸入額の減少のみならず、雇用の創出のために、アメリカ国内に投資し、工場を建てることへの、アメリカ企業に対する奨励です、こうした中、もしアメリカが保護主義政策を真剣に追求するのであれば、G7のみならず、G20の反発に直面することになります。この場合、グローバル化のプロセスは著しく後退することになります。

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