10月 08, 2021 18:26 Asia/Tokyo
  • バイデン米大統領
    バイデン米大統領

バイデン米大統領が、「諸外国が、多くの分野においてアメリカを追い抜きつつある」と語りました。

バイデン大統領は米ミシガン州での演説において、「わが国は依然として世界最大の経済大国ではあるが、自らの地位を喪失しつつある」と述べています。

また、「わが国は25年前には、工業発展の分野で世界一だった」とした上で、「しかし現在我々はそうした状況にはない。このことは我々の敵に向かって多くのメッセージを発信している。彼らは今この瞬間も、我々を追い抜こうと努力している」としました。

経済面でのアメリカの後退を大統領自身が自白していることは、アメリカの凋落という現象を示すものです。バイデン大統領はこの問題に関し、経済・社会的指標やそれらによる米国の現状に言及しています。

その例として、バイデン大統領は米国内でのインフラの惨状に触れ、「我々のインフラは常に世界最高のものであり続けてきた。だが今や、複数の統計によれば我々はインフラ面では世界で13位にとどまっている。つまり、我々よりももっと良いインフラを持つ国が12カ国もあるということだ」と語りました。

さらに、「アメリカは、かつては大学教育や大学進学率の点でも、世界で上位を争っていたが、現在ではOECD経済協力開発機構のランキングで、わが国は35位に甘んじている」と述べています。

バイデン大統領がアメリカの凋落ぶりを認めざるを得なくなった3つ目の点として指摘しているのは、工業生産の問題です。バイデン氏は、生産面でアメリカと中国を比較し、この分野でのアメリカの大きな後退を認めざるをなくなっています。

バイデン氏によれば、最近20年間でアメリカの製鋼企業の多くが閉鎖され、100社あったのものが51社にまで減少したほか、この部門での雇用率も西暦2000年当時の40%にまで落ち込んでいます。そうしたアメリカとは裏腹に、中国は現時点ですでに、アメリカの年間生産量より多い鉄鋼を、わずか1ヶ月で生産しています。バイデン氏はまた、アメリカと比べてはるかに多い中国の電気自動車や燃料電池の生産を指摘しています。これらはすべて、アメリカの工業生産の恒常的な減少を如実に物語るものです。

バイデン大統領の語る内容は、特に経済面におけるアメリカの凋落の過程がもはや隠し通せない現実であり、特に近年、それも新型コロナウイルスの感染拡大後に、この傾向が加速していることを示しています。前アメリカ統合参謀本部議長のマイケル・マレン氏は、人種差別や賃金面での不平等、適正な分配の欠如、社会でのモラルの欠如といった、アメリカでの大問題の一部を指摘し、「我々は上昇過程にはなく、むしろ下降、凋落の道をたどっている」と語りました。

今や中国は、世界第2の経済大国として全速力で世界一の経済大国の座に上り詰めようとしています。複数の予測によれば、中国は遅くとも2030年までに世界一の経済大国になるだろうと見られています。これが実現して、アメリカが経済面で世界2位に転落し、国際舞台でのアメリカの地位に悪影響が及び、世界経済や国際政治に対するアメリカの影響力が薄れることが予想されます。

また、これまでは米ドルが世界でより優位な通貨とされてきたのが、今や徐々にその地位を失いつつあります。このことから、アメリカは今後、米ドルを金融上の武器として行使しにくくなると見られます。さらに、これまでアメリカは常に、自らの経済力を準ハードパワーとして、他国への制裁行使といった形でもっとも多く利用してきました。しかし今後はそれも不可能となり、これまでのように反米的な国やアメリカのライバル国に圧力をかけることはできなくなると思われます。

これらのことから、アメリカ経済の凋落には様々な現象を伴っていると言えます。またそうした例としてアメリカの予算赤字の激増や、特に中国などの経済大国との貿易収支における赤字の増大、さらには約28兆ドルにまで膨れ上がっている国債、世界での外貨備蓄や金融取引の舞台での米ドルの役割の減少、工業生産の減少、そして米国内のインフラの老朽化の加速が指摘できるのです。

 

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