11月 22, 2021 17:09 Asia/Tokyo
  • カイル・リッテンハウス被告(18)
    カイル・リッテンハウス被告(18)

昨年の人種差別に対する抗議デモの中で2人を殺害した、あるアメリカ人少年に無罪判決が下されたことで、同国では新たな抗議の波が沸き起こっています。

アメリカ陪審団は、米ウィスコンシン州ケノーシャで昨年8月25日に警官暴力に抗議するデモ参加者に発砲し3人のうち2人を殺害、3人目を負傷させたとして、殺人罪などに問われているカイル・リッテンハウス被告(18)に無罪判決を言い渡しています。

この判決はアメリカ国内で一大騒動へと化し、改めて人種差別と銃の所持を注目の焦点へと押し上げました。実際に今回の判決は極めて不公正かつ一方的、そして人種差別的なもので、同被告はこの判決を聞いた後に自らの感情を抑えきれず、歓喜のあまり号泣しています。また罪状認否・控訴事実に関しては純粋な自己防衛で正当なものだったと主張しました。しかし、裁判所の外では数百名の抗議者らがこの判決の発表後、プラカードを掲げて陪審団のこの決定に抗議の意を表明しています。

この人種差別的な白人のアメリカ少年は、同国の極右過激派の間で一躍人気者となり、ドナルド・トランプ前米大統領もこの少年を賞賛していました。実際に、この少年に対する裁判所の無罪判決は、アメリカの司法制度では今なお人種差別や、白人と黒人に対するダブルスタンダードな処遇が続行されていることを物語るものです。

過去数年間の同様の事件を振り返ると、黒人が同様の犯罪で起訴されていた場合、米国の警察と裁判所はこれとは異なるはるかに厳しい処遇に出ていたであろうことが見て取れます。この問題は、黒人団体からの強い反応を引き起こしました。その例として人権団体・NAACP全国有色人種向上協会は声明で、「我々の司法制度が武装した暴徒の1人の釈放を許可することは公正ではない」と表明しています。また、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルも声明を発表し、「痛ましい現実は、アメリカの刑事制度と社会が白人至上主義と黒人に対する人種差別に基づいていることを物語っている」と表明しました。

アメリカの裁判所の不当な判決、そして極右の白人少年が冷酷極まりない行動に出て2人を殺め、さらに放火、暴動、窃盗などの罪を犯していたことからして、今後数日のうちに同国内の各都市は再び極右派や銃所持の支持者と、アメリカの司法制度が有色人種に対し差別的であり今回の事件がその最新の例だと考える黒人やヒスパニック系移民との、対立の場と化す可能性があります。近年、特にトランプ前大統領の任期中には、彼自身が右翼的で人種差別主義的な見解を持っていたことから、アメリカ国内に人種差別的暴力が拡大しました。トランプ氏は、白人至上主義運動の最大の支持者の1人であり、BLM「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動などの反人種差別運動を繰り返し批判しています。

人種差別と人種主義は、アメリカ社会において常に重要な問題とされてきました。イランの政治評論家アリーレザー・レザーハー氏は、「人種差別は根深い歴史的問題であるとともに、アメリカの文化的アイデンティティの一部でさえある」と語っています。

アメリカ的思考はそもそも、陰に陽に人種差別を伝播し、有色人種を侮辱し彼らを二級市民権とみなすものです。実際に西側諸国、特に米国では、一般的な白人至上主義運動や団体が日毎に拡大している現在において、黒人とラテン系のアメリカ人は、ますます暴力と人種差別にさらされているのです。

 

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