May 21, 2022 19:45 Asia/Tokyo

ジョー・バイデン現アメリカ大統領が20日金曜、4日間にわたる極東アジア訪問を開始し、地域における脅威と称するものへの対抗に向けた、日本および韓国とアメリカの関係強化のため、日韓両国を訪問します。バイデン氏の極東アジア訪問は、今回が就任後初めてとなります。

バイデン氏は20日、今回の最初の訪問国である韓国に到着し、ユン・ソクヨル韓国新大統領とサムスン電子の半導体工場を視察しました。彼は最近にも、韓米関係の強化を強調しています。バイデン大統領の今回の訪問は、最新鋭技術分野での米韓の協力や関係の強化に向けた足がかりとみなすことができます。なお、ムンジェイン前韓国大統領は昨年の訪米において、電気自動車用電子半導体部品および電池の分野での両国の相互投資を発表していました。その目的は、この分野での鍵を握る製品の生産および、中国への依存からの脱却とされています。

バイデン大統領は韓国に続いて日本を訪問し、岸田首相と会談する予定です。今回の訪日では、岸田首相は近く予定されているバイデン氏との会談で日本の防衛予算の増額を通達すると見られています。

バイデン氏の今回の日韓訪問の一方で、アメリカは過去3ヶ月間、ロシアとウクライナの戦争勃発およびヨーロッパに視線を集中しており、さらに今回の訪問日程中の北朝鮮による核実験実施の可能性に関する懸念を募らせていました。一部のアナリストは、バイデン氏は今回の日韓訪問において「アジアへの転換」と称する政策の枠組みでの自国の努力を強めていくだろうと考えています。アメリカがこのような政策をとる目的は、中国の軍事・経済力の増大を原因として、地域におけるアメリカの支配の弱体化に対処することにあります。政治評論家のChristina Lu氏は、「バイデン氏は4日間の日韓訪問で、アメリカと日韓の協力を強化し、また特に中国に対するアメリカの外交政策のための地域の長年の重要性を再度強調する決定的なチャンスを得ることになるだろう」との見方を示しました。

実際に、バイデン氏の東アジア訪問の重要な目的の1つは、地域におけるアメリカの重要な同盟国とである日本と韓国との戦略的な結びつきの強化、そして同時に中国への対抗、さらにはアジア太平洋地域での自国の政策実施とされています。アメリカはバイデン現政権時代および、トランプ前政権時代のいずれにおいても再三にわたり、自国の軍事・安全保障関係の高官らによる文書において、ロシアに加えて中国が自らにとって最も重要な脅威だと表明しています。米紙ニューヨークタイムズのピーター・ベーカー記者は「現米政権がウクライナ問題に集中していることからして、バイデン氏はアメリカが欧州とアジアという2つの大陸での侵略に対抗できる、と強調したい意向なのだろう」との見方を示しています。ベーカー記者のこの指摘はまさに、中国が本土への併合を目的に台湾への攻撃をもくろんでいる可能性がある」という、アメリカの主張を物語るものです。

アメリカの政府当局は、中国の政府指導部がロシアの対ウクライナ攻撃や、これに対する西側の反応、さらには対ロシア制裁がもたらす結果について吟味し、それによって今後可能性のある台湾攻撃に関する自らの最終的な決断を下すだろう、と主張しています。しかし、こうした主張に対し中国側は強く反発しています。楊潔篪・中国共産党中央外事活動委員会弁公室主任はこれについて、「台湾問題は、わが国の対米関係において最も神経を使う重要な問題である。アメリカがこれまでどおり台湾というカードでのゲームを継続し、誤った道を歩み続けるなら、それは結果的に危険な状況の発生につながるだろう」と語りました。

どうやら、バイデン米大統領の今回の日韓訪問は、アジア太平洋地域におけるアメリカの反中国政策の実施の新たな段階となりそうな気配です。そしてそれは現に、すでに中国への対抗を目的とした軍事・安全保障同盟としての日米豪印4か国・QUADや米英豪によるAUKUSという同盟結成の発表により口火が切られているのです。

 


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