3月 20, 2020 18:06 Asia/Tokyo
  • 新年のイランの民族の慣習
    新年のイランの民族の慣習

今回は新年前のイランの民族の慣習についてお話しすることにいたしましょう。

ノウルーズ春の始まりを祝うイラン人の国民的祝祭であり、冬が終わって、年が変わり、暖かさがやってくるというメッセージを伝えるものです。自然が生まれ変わり、農地や庭園において生命が再び復活します。

1年の間の自然の変化と人々の生活におけるその役割は、イラン人の文化の象徴を反映するものであり、概して風俗習慣を表すものとなっています。これらの慣習は新年が始まるほぼ1ヶ月前から新年の13日目まで続きます。

一年が終わるころ、ノウルーズの数日前に、春とノウルーズの到来を告げるメッセンジャーが町や村を回り、喜びの歌を歌ったり、劇を演じることで、冬への別れを人々に知らせます。

これらの劇の主な目的は、冬の物語の終わり、春の暖かな季節の到来を告げることにあります。

新年前のイランの民族の慣習

 

年末のこの街頭劇は、長い間、イランの各地で行われており、イランの学者アブーレイハーンビールーニーは、「ファールスでは、これらの演劇団が動き出すのが見られる」と記しています。

新年の数日前から新年に入ってから二週間までの間に行われるこの他の劇に、春の訪れの吉報を人々に伝えるアータシュ・アフルーズというものがあります。この劇には複数人の役者と演奏家が参加し、それぞれが特別な衣装を着ています。一人は顔を黒く塗り赤の衣装を着て、もう一人は手にたいまつを持っています。役者たちは演奏家とともに、祝祭の行事を行います。

 

 

とはいえ、時の経過とともに、この演劇は形を変え、現在はそのグループの名残として、年末になると、顔を黒く塗り、赤い服を着て、歌や音楽とともに人々に春の知らせを伝えるハージーフィールーズの姿が見られます。彼らの赤い衣装は、春の喜びを、黒い顔は、去り行く冬の寒さを象徴するものとなっています。

ハージーフィールーズ

 

この他の劇、遊びに、ミールノウルーズィー、あるいはパーデシャーノウルーズィーがあり、これらは今もイランの一部地域で行われています。この行事では、社会の下層部から一人の男性が王に選ばれ、町や村の統治を数日間負います。また数人が王の側近に選ばれ、王はこの数日間、あらゆる命令を出すことができます。この期間は通常5日間で、その中で人々は王のおかしな命令を楽しみます。この劇、遊びは、人生は短く、機会を利用せよ、というペルシャ文学、格言をもとにしています。

新年のノウルーズにちなんだ行事や劇はたくさんあり、その多くが年末、人々の間で行われます。劇の他に、音楽も演奏されます。昔からノウルーズィーハーンと呼ばれるグループが喜びの歌を歌うことで、ノウルーズや春の到来を人々に知らせていました。この音楽グループはイランの多くの地域に存在しますが、主にギーラーン、マーザンダラーン、アーザルバイジャーンの北部やファールスといった南部に集中しています。

ノウルーズィーハーンの歌は、太陽や光、雨、大地といった自然の要素の一部に宗教的な信条が織り交ぜられたものとなっています。例えばこれらの歌の一部はイスラム教の先人たちを思い起こすことで始まり、新年の到来を告げて終わります。

ノウルーズィーハーン

 

イラン全国での春、ノウルーズの歓迎において広まっている慣習は、演劇に限られません。一部のノウルーズの伝統は過去から現在まで続いており、春の新しい香りをあらゆる場所に振りまいています。

年末に通常行われる慣習の一つに、ハーネ・テカーニーと呼ばれる大掃除があります。冬の最後の日々、イラン全国の人々の間に特別な動きが生じ、すべての人が家や家具、さらには公共の場所、道路や路地を清掃することで、春を歓迎します。

実際、年末の大掃除は、家から汚れた古さをそぎ落とすものであり、新年の新しさや明るさを歓迎するために清らかな空間を準備するものです。特にイスラムも清掃を強調しており、預言者はそれを信仰の表れだとしています。通常大掃除は家族のすべてが参加することで行われます。

ハーネ・テカーニー

 

この他、年末の慣習としてあるのが新年のための買い物です。この買い物には衣服、ナッツ、果物、お菓子、さらには家庭用品も含まれます。そのため年末になるとイランの各都市は、多くの買い物客であふれます。

通常、ノウルーズの買い物と同時に、最後の週には、遠くに住む親せきや友人にグリーティングカードが送られます。現在、技術が発展し、電子メールや携帯電話のショートメッセージでノウルーズのメッセージが送られるようになりましたが、今もカードを贈る習慣は多くのイラン人の間で残っています。

イラン暦最後の月は、穀物の新芽を育てる季節です。現在イラン人の間で、ノウルーズの2週間から10日前に大小の器で大麦や豆の新芽を育て、新年を迎える際にそれをハフトスィーンと呼ばれる正月飾りに並べる習慣が広まっています。これに加えて、家の庭にも若木や花が植えられます。新しい緑やみずみずしい花の存在は、春や自然の芽吹きを象徴するとともに、家の空間に活力を与えてくれます。

ハフトスィーン

 

ノウルーズの食べ物やお菓子を準備することも、ノウルーズの前に多くの地域で行われる慣習です。一部地域では女性たちが集まってお菓子を作ります。イランの多く地域では、サマヌーと呼ばれる甘い麦芽ペーストが作られ、ハフトスィーンに飾られます。

この他、ノウルーズの前の伝統として、死者を弔う慣習があり、これに際して人々は墓を訪れ、食べ物をもっていって、他の人にふるまいます。

そして、イラン人の間で毎年年末に行われている好ましい慣習の一つに、恵まれない人への支援があります。毎年新年を迎える前に、イラン全国で貧しい人への支援に向けた一般人による努力を目にすることができます。イランの人々は、年末に、他の人々の問題を解決することは非常に価値のある、神が喜ぶ行為だと考えています。

ハージーフィールーズ

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