May 14, 2016 22:16 Asia/Tokyo

今月9日、テヘランで日本の笹川平和財団と、イランの女性・家庭環境担当副大統領府、イラン外務省国際問題研究所により、「平和と持続可能な開発に果たす女性の役割」をテーマとした国際シンポジウムが開催されました。


イランと日本による初の国際シンポジウムがテヘランで開催


当日は、イランを初めて訪問した安倍首相夫人やイランのモウラーヴェルディー、エブテカール両女性副大統領が基調講演を行いました。また、ナザルアーハリー駐日イラン大使、そして主催者である笹川平和財団とイラン国際問題研究所の関係者、さらに両国の有識者らによるパネルディスカッションや、来場者との質疑応答も実施され、大変充実したシンポジウムとなりました。今回は私、山口雅代が社会的にも非常に注目された、女性をテーマとするこの国際シンポジウムの様子をレポートしてまいります。


 


アラーグチー元駐日イラン大使の開会挨拶


さて、「平和と持続的な発展に果たす女性の役割」と題したこのシンポジウムでのイラン側からの開会の挨拶を行ったのは、先だって駐日イラン大使を務めた、イラン外務省のアラーグチ-国際法担当次官でした。


アラーグチー次官は、平和と持続的な発展の前に立ちはだかる障害への対抗に向けた日本とイランの協力の強化が必要であると考えています。また、「イランと日本の関係は、1000年以上の歴史を誇っており、シルクロードを通じた、人々どうしによる文化的な交流であった」とし、「イランは、平和や持続的な発展のために、日本をはじめとする各国と協力する用意がある」と語りました。


 


笹川陽平・日本財団会長の開会挨拶


続いて、日本財団の笹川陽平(ささかわ・ようへい)会長が日本側を代表して開会の挨拶を行いました。笹川会長も、イランと日本と古くからの関係に触れ、「奈良県にはかつて、日本の都が置かれており、奈良を訪れれば、古代ペルシャの美術品の素晴らしさを堪能することができる」と語りました。


また、「今回40年ぶりにイランを訪問したが、現在のイランは40年前とは比較にならないほど進歩しており、その大きな変化に驚かされた」と述べています。そして、2010年からはほぼ毎年、イランと日本により国際会議が開催されていることに触れるとともに、日本の社会における女性の役割についても、「日本政府の大きな方針の1つは、女性の社会活動への参加を支援することである。イランの現状を目の当たりにしてみて、この国でも女性の役割が非常に重要であることが見て取れた」と語っています。笹川会長は最後に、「私たちは、長期的な視野に立って日本とイランの交流を継続する決意である。このシンポジウムでの私たちの議論が、平和と持続的な発展に貢献する対話をもたらすものと確信している」と述べました。


 


安倍首相夫人が基調講演


さらに、「平和と持続的な発展に果たす女性の役割」シンポジウムの大きなポイントは、公益財団法人・社会貢献支援財団の会長を務める、安倍昭恵(あべ・あきえ)首相夫人が参加したことです。安倍さんは、今回のシンポジウムでの基調講演において、イランのモウラーヴェルディー女性家庭環境担当副大統領、エブテカール環境庁長官兼副大統領の正式な招待による、今回のシンポジウムへの参加に感謝の意を表明しました。また、男性が中心となって築いてきたこれまでのピラミッド型の縦社会では、国益が優先され、国益同士がぶつかり合った結果、世界平和ではなく、戦争をもたらしたと語っています。そのため、今後はそうしたピラミッド型の社会に代わって、生命を産みつないでいく女性が縦の枠組みを超えて横の枠組みを作り、真の世界平和に向けて女性が活躍できる社会が確立するべきだとしています。初めてのイラン訪問、そしてイランの女性の様子などは、どう写ったのでしょうか。それではここで、安倍昭恵さんのインタビューをお届けしましょう。


(安倍さんのインタビュー)


イラン副大統領も講演


「平和と持続的な発展に果たす女性の役割」シンポジウムではまた、マアスーメ・エブテカール副大統領が講演を行いました。彼女はまず、イラン北西部にあり、現在枯渇の危険に瀕しているオルミーエ湖の再生事業への日本の協力に感謝の意を示し、イランと日本の間における、教育と自然環境問題の分野での協力や交流、情報交換の活性化を強調しました。さらに、シャーヒンドフト・モウラーヴェルディー副大統領も、持続的な発展と平和のための女性の役割に関する、日本とイランの過去の経験や情報の交換の必要性を強調しています。それではここで、社会で活躍するイラン人女性の代表格にふさわしい、モウラーヴェルディー女性環境担当副大統領は、次のように語っています。  


 


「平和と持続的な発展に果たす女性の役割」シンポジウムは、日本とイランが共同で開催した初めての国際シンポジウムであり、笹川平和財団と、イラン外務省付属国際問題研究所により実施されています。本日行われた安倍首相婦人との協議により、いくつかの合意書への調印が決定されました。それから、このシンポジウムの第2ラウンドが、今年の秋に東京で開催されることも決まっています。このシンポジウムの目的は主に、平和と持続的な発展に関するイランと日本の間の情報や経験の交換であり、さらに核合意の成立に伴っての、国際的な問題の解決と持続的な発展に関する女性たちの建設的な交流です。ところで、持続的な発展や環境保護は、女性の参加なしには実現は不可能であり、このシンポジウムは、そうした目的の達成に寄与するものと思慮いたします。実は近々、日出ずる国日本政府のご招待により、日本を訪問することになっており、非常に楽しみにしております。日本に参りました暁には必ず、日本人の勤勉さを実際にこの目で確かめ、これをお手本として持ち帰りイランに定着させたいと考えております」


 


このほかにも、同志社大学の中西久枝教授、イランのシャヒード・ベヘシュティー大学のミールモハンマド・サーデギー教授が、平和や平和の実現における女性の役割について講演を行っています。中西教授、そしてサーデギー教授は、「より多くの女性が高度な教育を受けて社会で活動することにより、平和により貢献することができる」と語りました。


笹川平和財団広報課・野崎由美子さんの談話


それでは、今回の国際シンポジウムを開催した笹川平和財団の情報統括部広報課の野崎由美子(のざき・ゆみこ)さんのインタビューをお届けしましょう。野崎さんは、激動の真っ只中にあるイランでのこのシンポジウムの開催の意義や、持続的な発展と平和のためにイラン人女性ができることなどについて、次のように語っています。


(野崎さんのインタビュー)


「平和と持続的な発展に果たす女性の役割」シンポジウムをきっかけとして、イランと日本のあらゆる分野での関係の拡大、そして平和と持続的な発展における女性の役割のさらなる向上を願うとともに、今後の動向にぜひ注目したいものです。


タグ

コメント