1月 06, 2022 18:17 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは毎回、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「あちらに行って、あなたのキャシュクを挽いて粉にしなさい」です。 

ペルシャ語での読み方は、Borou Kyashk-et raa be-saaabとなります。

ここに出てくるキャシュクというのは、日本語に相当する言葉はなく、イランで調理用に使われる乳製品の一種ですが、チーズやヨーグルトでもなく、乳白色の液状であることが多くなっています。液状にする前は乳白色の固形状で、これを粉末にして水と混ぜて、調理用に使われ、イランでは乳製品の専門店などで販売されています。

この慣用表現は、時間を無駄にしつまらないことをする、という意味のほかに「他人のことに口出しをするな」という意味でも使われ、日本で言う「己の頭の蝿を追え」に相当すると思われます。

この表現ができた由来は、これからご紹介する物語にあるとされています。昔、固形状のキャシュクを挽いて粉末することを生業としているある男性がいました。この人物は自分が欲しいものを何でも手に入れたくて仕方がなく、野望を抱いていました。ある日のこと、この男はある物知りの老人のところに赴き、どうしたらよいかと尋ねます。それに対し物知りの老人はあるデザートの作り方を秘法として伝授し、決してほかの人に教えないよう告げます。

この男は、教えてもらったデザートを売るお店を出し、繁盛するようになったものの、自分の弟子に作り方を教えてしまい、弟子が自分の料理店を構えて利益をあげるようになったことから、自分の店には閑古鳥が鳴くようになります。すっかり困ったこの男は再びあの物知りの老人のところに足を運び、どうしたらよいかと尋ねました。するとその老人がいわく、「お前は私の教えた秘密の1つも守れない。あっちに行ってお前の本来の仕事であるキャシュクの粉ひきでもやっておれ」

日本にはないイランの食文化から生まれた表現にも、とても興味深いものがあるのではないでしょうか。それではまた。

 


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